田嶋幸三JFA名誉会長、FIFAによる子会社設立&株式売却計画への反対表明「受け入れることはできません」

写真拡大

 国際サッカー連盟(FIFA)の評議会メンバーであり、日本サッカー協会(JFA)の名誉会長を務める田嶋幸三氏が、「FIFA Forward Enterprise(FFE)」設立計画への見解を明かした。

 FFEとはFIFAの商業やFIFAワールドカップ等の主催大会の運営を担い、放映権やスポンサーシップ、チケット販売、ライセンス事業などを一元的に管理する子会社。FIFAが経営権を維持したまま少数株式を長期投資家へ売却することで、今年後半までに最大42億ドル(約6700億円)の調達を目指し、それを原資に加盟協会すべてに今後4年間で2000万ドル(約32億円)の開発資金を提供する計画となっている。

 FFEはFIFA加盟国の過半数の支持とFIFA理事会による承認が設立条件となっているが、ワールドカップという世界最高峰の大会を含むFIFAの商業権の一部を民間投資家に売却するという前例のない計画は大きな物議を醸し、サッカー統治機構のあり方やプロセスの透明性をめぐる議論が巻き起こっている。すでに欧州サッカー連盟(UEFA)と北中米サッカー連盟(CONCACAF)は、加盟するすべての協会が今回の提案を拒否することを明かした。

 反発が相次いでいるFFEについて、田嶋氏は以下のように見解を述べ、設立計画への反対を表明した。

「今回のFIFA会長による『FIFAフォワードエンタープライズ』設立の提案について、非常に残念に思います。FIFAは世界のサッカーの統括団体として、競技を守り、発展させていかなければなりません。先週閉幕した北中米ワールドカップでの理解しうる説明のなされていないレッドカードの適用延期や、決勝での長いハーフタイムの実施など、競技規則に則って行われるべきサッカーの本来の価値は独立して守られるべきで、商業的な要素やその他外部からの影響を受けるべきではありません」

「これまで120年以上をかけ、世界のフットボールファミリーが大切に育ててきたFIFAの競技会に、商業的利益を至上命題とする外部の投資が入ることで、競技のためではなく、利益追求のための決定が優先されることになり得ます。これを受け入れることはできません」

「今回の提案は、211のFIFA加盟協会に対して、民主的に、つまり、多数決の原理で決めたいという文書が唐突に送られました。組織として、FIFAカウンシルでも本質的な議論が行われていないまま、加盟協会の多数決で決定することには憤りを覚え、FIFAカウンシルメンバーとして反対します。FIFAは、世界で愛されるサッカーをいう競技を、健全に成長させる統括団体でなければなりません」

 なお、JFAとしての公式回答については現在協議を進めているという。