「北大1号」の麦芽を粉砕して仕込みを行う鈴木代表(浦幌町で)

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 十勝管内浦幌町で不耕起有機栽培を手がけるRIKKAが、大正期に開発された大麦「北大1号」を使ったビール造りを始めた。「穂孕(ばら)み」と命名し、8月には創基150周年を迎える北海道大学でお披露目を予定。鈴木將之代表は「地元の素材と歴史を感じられるビールにしたい」と完成を心待ちにする。

 「北大1号」は、1876年に創立した札幌農学校の2期生で、北海道帝国大学第2代目総長の南鷹次郎氏が1917年、育種に成功した。日本初の交雑育種に成功したビール大麦として知られる。

 RIKKAは浦幌町を拠点に環境再生型(リジェネラティブ)農業の普及に取り組み、ビール醸造も手掛ける。志向する農業を実践する上で「昔からある品種の方が相性が良いのでは」(鈴木代表)と考えてさまざまな品種を探し、「北大1号」にたどり着いた。

 道立総合研究機構中央農業試験場(滝川市)の遺伝資源部を通じて種を入手し、浦幌町や北大の農場で栽培。増殖しながら栽培特性などを調べてきた。北大大学院農学研究院の柏木純一准教授は「特別な防除や追肥はいらない。現代の品種と比べ外観の差もなく、生育や収量もさほど劣らない」と話す。

 6月29日、RIKKAの醸造所で粉砕した麦芽の仕込みを始めた。大麦は「北大1号」を20%、「りょうふう」を80%使用。ホップの代わりに地元で自生するヤチヤナギを使い、香りや苦味のアクセントをつける。

 300本(1本330ミリリットル)製造し、8月に北大でお披露目を予定する。志向する農業を広める“始まり”の思いを込め、商品名は「穂孕み」とした。鈴木代表は「このビールは、私たちにとって第一歩。皆で楽しく飲みかわしながら、歴史ある品種の背景や将来の農業を語り合う。そんなビールにしたい」と期待を膨らませる。

(橋本陽平)

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