父が免許を返納するため、購入時「400万円」だった車を私に譲ると言っています。家族間なら名義変更だけで済みますか?

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父から譲り受ける「購入時400万円の車」を、家族間の譲渡だからと名義変更だけで済むと考えている人もいるかもしれません。自動車の名義変更には法的義務がありますが、実はそれ以上に注意すべきなのが「現在の時価(車の価値)」です。   今の価値によっては、名義変更だけでなく贈与税の申告が必要になるケースがあります。本記事では、名義変更の際に必要となる具体的な書類や、知っておきたい税務上のルールについて分かりやすく解説します。

家族間の車の譲渡で必要となる書類と運輸支局での手続きの流れ

家族間での車の譲渡であっても、車の所有者が変わる以上、法律に基づいて名義変更(移転登録)の手続きを行う必要があります。名義変更の手続きを放置すると、毎年の自動車税の通知が父親のもとに届き続けたり、万が一の事故の際に自動車保険の手続きで不都合が生じたりするおそれがあります。
今回のケースでの手続きは、新しく所有者になる子どもが車を使用する住所を管轄する運輸支局(軽自動車の場合は軽自動車検査協会)で行います。主に必要となる書類は次の通りです。


・自動車検査証(車検証)
・父親(旧所有者)の印鑑証明書(発行後3ヶ月以内)
・子ども(新所有者)の印鑑証明書(発行後3ヶ月以内)
・旧所有者の実印が押印された譲渡証明書
・委任状(本人以外が申請に行く場合)
・新所有者の車庫証明書(自動車保管場所証明書)

名義変更を行うことで、登録上の所有者を正式に変更できます。あらかじめ必要書類を漏れなくそろえて、手続きを進めましょう。

購入時は400万円でも贈与税の判断基準は譲渡時の車の時価

父親が購入した時の価格が400万円であっても、譲渡された時にそのまま400万円に対して贈与税がかかるわけではありません。贈与税の計算基準になるのは、車を購入した時の金額ではなく、譲渡された現在の時価(評価額)です。
贈与税には、財産をもらう人1人につき、年間110万円の基礎控除額が設けられています。そのため、車を譲り受けた時点での車の価値(時価)が110万円以下であれば、原則として贈与税は発生しません。
新車購入時は400万円だったとしても、年数が経過して価値が下がり、現在の時価が例えば80万円や100万円になっていれば、基本的に贈与税はかかりません。
しかし、まだ新しくて状態が良く、仮に査定額が150万円程度になった場合は注意が必要です。この場合は、時価である150万円から基礎控除の110万円を差し引いた40万円に対して、贈与税が課税される可能性があります。
まずは複数の業者に車の査定を依頼し、現在の車の価値がいくらであるかを正確に把握することが大切でしょう。

父親から車を格安で買えば贈与税を避けられる? 時価との差額は贈与とみなされる可能性

車の時価が110万円を超えている場合、父親から1万円や10万円といった低い金額で買い取れば、贈与税を回避できるのではないかと考える方もいるかもしれません。しかし、このような売買契約による税金の回避は認められておりません。
国税庁によると、個人から著しく低い対価で財産を譲り受けた場合、その財産の時価と支払った対価との差額にあたる金額は、実質的に贈与されたものとみなされます。
例えば、現在の時価が200万円の車を、父親から10万円で買い取ったとします。この場合、時価との差額である190万円が贈与とみなされる可能性があります。そこから基礎控除の110万円を差し引いた80万円が課税価格となり、この金額を基に贈与税額が計算されます。
名義変更だけで済ませようとしたり、形式的に著しく低い価格で売買契約を結んだりしても、贈与と判断される可能性があるため、手続きを行う際は、実態に即した方法を選ぶことが大切です。

まとめ

家族間で車を譲り受ける場合は、運輸支局での名義変更手続きだけでなく、お金や税金に関するルールを正しく理解し、事前に対策を立てておくことが重要です。
購入時が400万円という高額な車であっても、現在の時価が110万円以下まで下がっていれば、原則として贈与税を支払うことなく名義変更のみで進めることができるでしょう。
まずはディーラーなどで車の価値を正しく査定してもらい、その金額に基づいて、贈与税の申告が必要かどうかを適切に判断しましょう。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4423 個人から著しく低い価額で財産を譲り受けたとき
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー