テレビ信州

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北アルプスの玄関口として知られる大町市。山も麓の街も、両方を盛り上げたいと、かつて山小屋を営んでいた男性が立ち上がりました。この週末には、初めてのイベントを開き、麓の商店街ににぎわいが生まれていました。

北アルプスの麓、大町市。その、駅前商店街。
普段は、人通りもまばらですが…

19日は一転、ご覧の通り。

…そのワケは、初めて行われたイベント、その名も「まほろば商店街」です。

大町アウトドアプロジェクト 伊藤圭さん
「2日間だけ、にぎわっていたころの商店をもう一度出現させるという、その“幻感”ですね」

JR信濃大町駅から北に約1.5キロにわたって伸びる「中央通り商店街」。
ここに、40を超えるアウトドアブランドが店を出しました。

辰野町から
「小さいお店のいろんなグッズが見られて、すごく良いと思います」

実は、この場所…。

大町アウトドアプロジェクト 伊藤圭さん
「ここで3軒くらい開くのかな」

普段は、空き店舗です。
仕掛け人の伊藤圭さん(49)。

イベントを3日後に控えたこの日、プロジェクトの仲間たちと一緒に、当日使う空き店舗の掃除など、準備を進めていました。

東京都出身の伊藤さん。
3年前までは父から引き継いだ、北アルプスの山小屋を経営していました。
富山県境、黒部の源流に位置する三俣山荘です。

伊藤圭さん
「これから山小屋や登山界が続いていくにはどうすればいいのかなと思った時に、母数を増やしていかないともたないねという話になって、麓の街とか今まで登山しなかった人たちも、興味持ってもらうようなことをしていかないと」

登山文化の普及に力を入れたいと5年前、一般社団法人を設立。
その一環で、大町市の商店街の一角に登山者などに向けたブックカフェ「三俣山荘図書室」と、ゲストハウスをオープンさせました。

山小屋は別の人に任せ、今は拠点を麓に移しました。そんな中で見えてきたことがあります。

伊藤圭さん
「こっち(麓の街)が潤っていないと山のエリアも潤わないし、どっちも同時進行で盛り上げなければいけないというのを具現化したのが、今回のイベント」

日本有数の山岳観光都市、大町市。
標高2800メートル前後の北アルプス鹿島槍ヶ岳、爺ヶ岳、針ノ木岳などへの登山口を抱え、富山と長野を結ぶ立山黒部アルペンルートの長野県側の玄関口です。

ただ、登山客が駅前の商店街に立ち寄ることは、ほとんどありません。

かつては大町市の中心地として栄えた「中央通り商店街」。
市によりますと、大型店の郊外への出店などで人の流れが変わり、1998年ごろから、次第に空き店舗が増えていったといいます。営業しているのは、2021年時点で61店舗。24年前の3割以下まで減少しています。

山も麓の街も、両方を盛り上げたい。

伊藤さんの思いに賛同した20代から30代の5人が加わりました。メンバーは商店街の若手経営者やインフルエンサーなどです。

大町アウトドアプロジェクト YouTuber・百花さん
「移住してきたときに、商店街にぽつりぽつりと良いお店があると思っていましたし、商店街の景色もすごい好きだなと思っていた」

シャッターが目立つ商店街に活気が戻った2日間。

23の空き店舗や古民家に、アウトドア用品が並び、県内外から山好きたちが訪れました。

兵庫から
「山に行くついでにイベントやってたので、ちょっと寄ってみようと」
辰野町から
「山好きですね。(大町市は)登山口として栄えているんだと思うんですけど、ここ(商店街)で足をとめるというのが新鮮な感じがして」

店を出すのは、いわゆる“ガレージブランド”といわれる大手ではない、個人が手掛けるブランドです。伊藤さんの人脈を生かして、全国各地から集まりました。

出店者(東京から)
「山と街をつなぐイベントとしても、とてもすてきだなと共感して出店させていただきました」
Q.この場所はどう感じますか
「私たちも来てびっくりで、味のある雰囲気がすごく良いなと思って」

中央通り商店街から一本通りを入ると、昭和レトロな大町名店街も。

そんな隠れた魅力に触れてほしいとショップなどを巡る有料のスタンプラリーを実施。参加費は、大町の活性化に充てる予定です。

伊藤さんが運営する三俣山荘図書室では、登山関係者によるトークショーなどが開かれました。

大町市商店街連合会 北澤恵一郎会長
「これから先も、よろしく。がんばって」
伊藤圭さん
「よろしくお願いします」

地元、商店街連合会の会長です。

今回のイベントの提案を受けて、空き店舗の所有者との橋渡し役を務めました。

大町市商店街連合会 北澤恵一郎会長
「彼たちは街を何とかしようという思いが強い人たちで、大変、希望を持てますね。なんとか空き店舗、それを貸し手と借り手側を良いマッチングをするのが、自分たちでもあり行政でもあるが、そういう思いに貸し手もなってくれたらと思いますね」

商店街の洋菓子店も、今後に期待を寄せます。

洋菓子店の社長
「人がすごく歩いているので、全然違いますね。頻繁にやっていただきたい」

2日間で3000人以上が訪れ、大盛況で幕を閉じたイベント。

伊藤さんは、来年以降も定期的に開催したいと意気込んでいます。

伊藤圭さん
「シャッターが1個でもオープンしていけばいいし、こんなすてきな街ならここから山に登る、大町から山に登りたいねという状況を作り出したい」