DeNAに国から「15億円補助」の波紋。ガンホー赤字転落、サイバー利益2倍…モバイルゲーム市場の“残酷な明暗”
◆アプリ市場の成長が鈍化する日中市場
モバイルアプリの市場調査などを手がけるSensor Towerによると、2025年の日本のモバイルゲームの総ダウンロード数は前年比2.5%、収益は2.2%それぞれ減少しました。
つまり、世界的には新たにダウンロードするモバイルゲームのライトユーザーは減少しつつある一方、コアファンのゲーム時間、課金額は増加してLTV(顧客生涯価値)が高まっていると見ることができます。
しかし、日本はダウンロード数も収益も減少しており、ライトユーザーの離脱に加え、コアファンもゲーム離れを引き起こしている可能性が高いのです。
さらに中国市場の冷え込みも深刻。2025年度の中国のモバイルゲームのダウンロード数は18.5%も減少し、収益は4.7%減少した形です。コーエーテクモやネクソンのような会社は中国市場でヒット作を生み出してきましたが、中長期的に影響が及びかねません。
日本国内の市場は停滞し、成長期待が高かった中国も暗雲が立ち込める状況です。JETROによると、ゲーム市場における北米のシェアは27%、欧州が18%。市場が底堅く推移する北米や欧州がターゲットとなるのは自然の流れだと言えるでしょう。
◆苦境が続くモンスト。MIXIの現状は…
海外進出が不十分な一部のモバイルゲーム会社が苦戦を強いられています。モバイルゲームの代表的な作品である「モンスターストライク」を手がけたMIXIもその一つ。2025年度のデジタルエンターテインメント事業は10.8%の減収、2.8%の減益でした。
ユーザーの離脱が止まらず、売上高は1割以上もの減少。足元では利益率を高めるため、自社構築プラットフォーム「ショップ」経由での決済を促す方針を採ります。しかし、アニメ放送などの広告宣伝費が発生したことで減益となりました。
MIXIは新たなタイトルを開発することよりも、利益重視の経営へとシフト。スポーツベッティングなど、新たな事業への投資を加速しました。
ただし、木村弘毅社長は最近になって「モンスターストライク」のヨーロッパ進出に意欲を見せるようになりました。2014年に北米エリアで展開したものの、すでに撤退は完了済み。にもかかわらずのこの動きは官民連携が同社の方向性を変えた可能性があります。
◆ガンホーが抱える経営の課題は…
「パズル&ドラゴンズ」のガンホーも厳しい状態が継続する形です。2期連続の減収、営業減益で、2025年度の営業利益は7割も減少しました。
主力タイトルの「パズドラ」が苦戦していることに加え、子会社グラビティの「ラグナロク」シリーズも停滞中。2025年10月から12月は連結で8億円を超える赤字を出しています。ガンホーは物言う株主のストラテジックキャピタルから、「パズドラ」追随の柱を生み出すことができなかったなどと批判されました。
国内のモバイルゲーム市場中心の開発から、家庭用ゲーム機・PC向けへと方針を改め、競争力の強いアクションゲームの分野で新規IPの創出を図る構えをみせます。しかし、2025年12月にリリースした新作「LET IT DIE: INFERNO」は売れ行きが今一つで、ストラテジックからは失敗だったと厳しく糾弾されました。
