。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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「成功は自分のおかげじゃない」

 元Jリーガーの鄭大世氏は、そう語る。

「自分の力なんて微々たるもので、それに気づいていない人がほとんど。自分が頑張れば成功できると思っているし、成功した人も『自分が頑張ったからだ』と考えがちです。でも、それは違う。成功は周りの人に引き上げられながら形成されていくものなんです」

 具体的には、どういうことなのか。

「どういう監督に出会うか、どういうチームに出合うか、どういう名言に出合うか、どういうロールモデルに出会うか。そうした一つひとつの出会いや出合いが成功を形作っていく。結局、成功は運なんです。だから、その運をつかむためには挨拶をする、謙虚でいる。人に助けてもらわないといけない」

 この言葉を思い出したのは、日本代表が北中米ワールドカップのブラジル戦を終えた翌日、39歳のベテラン・長友佑都が残した言葉だった。

「5回の偉業(5大会連続ワールドカップ出場)を成し遂げられたのは、自分の力ではない。与えられた感覚が大きいですね。メディアの皆さん、チームメイト、森保(一)監督、他にも関わってきた指導者も含めて。みんなから与えられたものみたいに感じています。こんな下手な自分が、能力のない自分が、5大会も経験させてもらったというのは、自分の力だとは到底思えないです」
 
 だからこそ、長友は今度は「与える側」に回りたいと考えている。

「この経験は日本サッカーに還元していかないといけない。それはどういう立場であれ、還元していかないといけない使命を得ている感覚が非常に強いですね。これは明らかに前回の大会が終わったあとと比べても、全然違う使命感を感じています」

 与えられる側から、与える側へ。

 鄭大世氏の語る「成功は周囲から与えられるもの」という考え方と、長友が口にした「今度は自分が与える側になりたい」という決意は、不思議なほど重なって聞こえた。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)
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