原点の地で描く命の色彩 難病の画家・山下重人さんの軌跡【徳島】
筋ジストロフィーという重い病の患者でありながらアート表現を続けてきた、宮城県の男性の絵画展が今、吉野川市鴨島町で開かれています。
男性の原点はここ徳島。
色とりどりの絵に込められた想いに迫りました。
カラフルで生命力に満ち溢れた作品の数々。
見る人に、元気を届けています。
(訪れた人)
「日本語で言うならば『すごーい』」
吉野川市の鴨島支援学校で開かれている絵画展。
(訪れた人)
「かわいい作品とか壮大な作品があり、どうやって描いたのだろう、かっこいい」
❝「Stardust」山下重人(2019年)❞
山下さんがかつて徳島で暮らしていた縁から、今回の作品展が企画されました。
(山下重人さん・2025年)
「子どもの頃から画家になる夢を持っていたからです」
「社会的な環境や病気の進行の影響を受けながらも、諦めず創作を続けてきました」
山下重人さんは難病を抱えています。
病名は「進行性筋ジストロフィー」。
遺伝子の変異により体の筋肉が徐々に壊れ、衰えていく病気です。
3歳で発症し、11歳から21歳までの多感な時期を、鴨島支援学校や近くの旧・徳島病院で過ごしました。
その療養生活の中で、絵を描くことに出会います。
当時、山下さんの療養を支え、ともに歩んだ医師が今も病院で働いていました。
(とくしま医療センター西病院・柏木節子 医師)
「いろんな辛いことが彼の中であった」
「『20歳までで死にますよ』と周囲に言われ続けて、やっぱり悔しかったと思う。それを絵にも込めている」
❝「シーガイア」山下重人(1993年)❞
こちらは、徳島で過ごしていた頃に制作した作品。
この作品が、障がい者による全国の絵画展で「寛仁親王杯」を受賞。
のちに、画家として生きるきっかけとなりました。
当時はまだ絵筆を握っていましたが、病気の進行とともに筋肉は衰え、現在は電子ペンとタブレットを駆使し、CGの分野で制作に取り組んでいます。
❝「使命とは己の命の使い道」山下重人(2025年)❞
(とくしま医療センター西病院・柏木節子 医師)
「今きっとたぶん幸せなんだろう、色が明るくなって」
「ずっと20歳で死ぬと自分は思っていた、そこまで家族と一緒に暮らせて絵が描けて」
「それが一部仕事になって、わたしは良かったなと思う」
山下重人さんの絵画展は、7月17日まで吉野川市の鴨島支援学校で開かれています。
その後は、とくしま医療センター西病院をはじめ、10月29日まで県内21の会場で巡回展示される予定です。
山下さんが病とともに生きた日々が、色とりどりの絵となり原点の地、徳島で輝きを放っています。
