就任会見で力強く意気込みを語った諜裁監督。写真:鈴木颯太朗

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 J1浦和レッズは7月5日、埼玉スタジアムでトップチームの者貴裁監督、U−21Jリーグの指揮を執る田中達也監督の就任会見を開いた。合わせて8人の新加入選手も紹介するなど、秋春制に移行する新シーズンで2度目のリーグ優勝を目ざす意気込みを示し、抱負を語った。

 6位、9位、4位、13位、7位......。今年のJ1百年構想リーグを除いた最近5年間のリーグ戦の順位である。浦和はこの5シーズンでリカルド・ロドリゲス氏、マチェイ・スコルジャ氏、マティアス・ヘグモ氏と監督が3人も交代している。いずれも成績不振による退任と解任だ。

 さらに2016年からの5年間を振り返っても、指揮を執った監督は4人いる。16年は第2ステージを制して年間2位と奮闘し、ルヴァンカップで優勝。17年はアジア・チャンピオンズリーグで2度目の頂点に立ち、その翌年は天皇杯全日本選手権を制した。
 
 結果を出しているじゃないか、と突っ込まれそうだが、これはモダンな攻撃サッカーを完成させたミハイロ・ペトロビッチ監督の功績によるもの。17年7月に解任されてからの栄冠は、ペトロビッチ監督の遺産と言ってよい。

 これだけ監督がコロコロ代わっているようでは、盤石なチームの屋台骨は建築できない。一貫した戦術と用兵、戦略、方向性を身に付けるのは至難の業だ。それゆえ、浦和は久しくリーグ戦のタイトル争いに割って入れないでいる。

 これまでチームの土台づくりに成功した人といえば、一期目のホルガー・オジェック監督とハンス・オフト監督くらいだ。それに加えて応用編に移行できたのは、ペトロビッチ監督しか思い当たらない。
 今回、クラブはOBの者監督を招請した。これまで湘南ベルマーレを7年半指導し、2度のJ2制覇とルヴァンカップ優勝。5年半率いた京都サンガでは、昨季のJ1でクラブ最高の3位に導いた。どちらのチームでも堅陣を形成し、逆襲・速攻のやり方で、縦に速いスピード豊かなスタイルを確立させた。

 クラブの堀之内聖スポーツダイレクター(SD)は者監督に指導を任せた背景について、「最大の理由は彼の熱さ、熱量が今の浦和には必要と強く感じたから」と説明。強化担当は監督候補者を常に作成し、者監督も前々からリストに入っていたという。
 
 チームづくりの腕前、お手並について堀之内SDは「うちは前への推進力や縦への速さがまだまだ足りない。それを積み上げるには複数の候補者がいる中、最適なのは者監督だと確信した」と言葉をつないだ。

 これをベースに新たなシーズンを戦い、アップデートを重ねながら強い浦和を誕生させようというのが腹案だ。今か今か、といつまでも待たせてはいけない。復興するにも時間を掛け過ぎている。

 者監督は現役時代、Jリーグが開幕して2年目の1994年、ジャパン・フットボールリーグの日立FC柏レイソル(現・柏レイソル)から浦和に移籍。2シーズン在籍し、主な仕事場がストッパーでボランチもこなした。93年の浦和は年間最下位に沈んだだけに、94年はめっぽう多かった失点を減らし、最下位から抜け出すことを目ざす腰の砕けたチームだった。だがささやかな願いはかなわず、この年も年間最下位に終わる。
 当時と今とではクラブとチームを取り巻く環境が激変。近年の浦和の指導者に求められるのは、ぶれない戦法を身に付けたチームを構築しながら、毎年優勝戦線に絡むことだ。その覚悟があるのか尋ねてみた。

 監督として31年ぶりに古巣へ戻った57歳は、浦和がそういう環境にあることを理解した上で、「目の前の試合に全力で勝たないとそれは見えてこない。プレミアリーグでもブンデスリーガでも、ひと昔前では考えられないような順位の変動が1年ごとにある。それが現代サッカーの怖さであり面白いところ。いろいろなことがあると思うが、全員で乗り越えて高みに向かい、ぜひ実現させたい」と力を込めて言った。