日本代表GK早川友基(鹿島)が北中米W杯ベスト32敗退から一夜明けた30日、報道陣の取材に応じ、後半アディショナルタイム6分の失点で敗れた前日のブラジル戦について「勝負のレベルが上がってくると、勝負の分かれ目は一瞬なんだなと改めて感じた。ちょっとした部分での勝負が勝敗を分ける。強豪国と言われる国はそこを見逃さないし、見逃さないだけで結果に繋げてくるのは基準が高い」と振り返った。

 結果はベスト32に終わったが、今大会全4試合でゴールを守ったGK鈴木彩艶(パルマ)からは大きな刺激を受けていた。「彩艶のパフォーマンスは本当にすごかった。彼がいなかったらここまで来ていないと思う。それくらいに良いパフォーマンスだった」。ベンチに控えた早川、GK大迫敬介(広島)とともに鈴木も初のW杯出場。しかし、W杯の雰囲気にのまれるようなシーンは一度もなかった。

「ワンプレーの重み、判断とか、プレーの質は改めてレベルが上がってくるところでプレーするなら重要だと感じた。彩艶は見ている人からしたら簡単に見えるようなことでも、クリアを大きくするとか、相手が嫌がるボールを蹴るとか、低いボールで繋ぐとか、判断の間違いが彩艶は今大会一つもなかったと思うし、実際にそのミスもなかったと思う」

「他の試合だとキーパーの判断ミス、キックミス、連係ミスで失点しているところはあるけど、そういうのが一つもなかったし、チームとしてのラグ(連係ミス)も一つもなかった。そういった部分はやっぱり改めて自分もこだわっていきたいと思ったし、そういう舞台だから難しい部分を感じることがあるけど、それがキーパーとして永遠の課題かなと思う」

 一方、そんな早川には鈴木のほうからもコメントがあった。今大会のGKチームについて鈴木は「ハーフタイムもそうですし、練習もそうですし、常にディスカションがある」と振り返りつつ、「どんなプレーに対しても相手のやり方に対しても逆に早くんはキーパーだけじゃなくて、フィールドプレーヤーにもキーパーからの目線をアドバイスしている」と貴重な証言。「素晴らしい人間性を持ったキーパー2人だったので、自分としてもやりやすかったし、助けられた」と感謝を口にしており、良いチームを組めていたようだ。

 早川は鈴木の飛躍もあって今大会で出場機会がなかったが、昨年7月のEAFF E-1選手権でのA代表招集からわずか1年でのW杯メンバー入り。充実の活動になったようだ。

「代表チームとしては4年、もしくは8年スパンで活動しているけど、自分からするとこの時期くらいで1年。そういった意味では常にチャレンジャーだし、自分がやれることを全てやって、まずはこのメンバーに選ばれることを目指してきた。選ばれてからはこのメンバーと本当に共に世界一を目指せるメンバーだと思っていた。そういう雰囲気があるチームだし、力になりたいと思った」

「もちろん今の今で4年後というのを考えるのは難しいけど、でも実際にピッチに入場した時の雰囲気だったり歓声は普通の日常では経験できない場所。あれを経験できたのは自分自身にとってかなり大きかったし、また味わいたいと思った。もっと勝って、もっと上のラウンドに行って、最後は優勝したいと本当に思えていた」

 再びこの舞台に帰ってくるためにも、目の前のことを大切にしながら次のチャンスをうかがう。「4年というのはキャリアとしてはかなり長いと思うので、本当に自分のチームでの活躍が大事。4年後にどうなっているのかは分からないけど、地に足をつけて一歩ずつ進んでいきたい」と決意を新たにしていた。

(取材・文 竹内達也)