予備校講師の土井昭氏が、YouTubeチャンネル「世界史解体新書」にて「【インド】経済成長の裏側で高まる若者たちの怒り!世界一カオスなインドの民主主義と新政党誕生の実態」と題した動画を公開した。動画では、世界トップクラスの経済成長を続けるインドの裏側で、若者たちの不満が爆発して誕生した「ゴキブリ人民党」の背景と、深刻な社会問題の核心について解説している。

インドでは近年、SNSを中心に「ゴキブリ人民党」という新たな政治グループが急速に支持を集め、数千万人のフォロワーを獲得している。土井氏はこの名称について、「政府を批判する若者を『ゴキブリだ』と侮辱した」という最高裁長官の発言への抗議から生まれたものだと説明する。

若者たちの怒りの根底にあるのは、「高学歴プア」という問題である。土井氏は、インドの20代前半の失業率が「42%」に達している現状を指摘し、「大学を卒業して2人に1人が就職できない」という過酷な現実を浮き彫りにした。就職先がない若者たちは、非正規雇用や不安定な労働環境に就かざるを得ない状況に追い込まれている。さらに、競争の激しい医学部入試において、不正や問題流出が発覚したことが、若者たちの絶望と怒りに拍車をかけている。

また、経済が「年率6%以上」で成長する一方で、ITや金融といった一部の産業だけが利益を独占し、多くの雇用を生む製造業の発展が追いついていない。土井氏は、「一部の人だけがボロ儲けをし、全体のGDPを引き上げている」と述べ、格差社会の歪さを強調した。それに加えて、インド社会に根強く残るカースト制度や世襲政治、モディ政権の強権政治も不満の要因として挙げられている。行き場のない絶望から若者の自殺者が急増しており、「2021年には1万3000人以上が自殺をした」という衝撃的なデータも報告された。

土井氏は、華々しい経済成長の裏で苦境に立たされるインドの若者たちの実態を赤裸々に語った。圧倒的な人口と発展を誇るインドが抱える「カオスな民主主義」の真の姿を知ることで、国際社会の動向をより深く読み解くための重要な視点が得られる内容となっている。