北中米W杯を戦う日本代表の森保一監督が28日、決勝トーナメント1回戦(ラウンド32)ブラジル戦の前日記者会見に出席し、日本サッカー史に残るビッグマッチに向けて「相手は世界トップトップの強豪で、W杯で5回優勝したことのあるブラジルだが、勝利を掴み取れるように挑みたい」と意気込んだ。

 日本代表はグループリーグを1勝2分けで突破し、F組2位で決勝トーナメントに進出。初戦で過去最多5回の優勝を誇るサッカー王国ブラジルと戦うことに決まった。日本が決勝トーナメントでW杯優勝経験を持つ国と対戦するのは史上初めて。決勝トーナメント初戦は過去4度に阻まれてきた“鬼門”だが、選手たちからは「楽しみたい」「最高だと思う」といいう感想が次々聞かれており、これまで以上のモチベーションで臨めそうだ。

 森保監督も記者会見の壇上で気持ちが入っている様子を感じさせた。「ブラジルをリスペクトしているが、本物のブラジル、本気のブラジルとW杯で戦えることが我々の未来に大きな財産になる」。グループリーグ第3戦から日本は中3日、ブラジルは中4日とコンディション差がある中でも「これまでのベストのパフォーマンスをしてくれる」と選手への信頼を強調した。

 日本代表は昨年10月、味の素スタジアム(東京都)で行われたキリンチャレンジカップでブラジルと対戦。前半を0-2で折り返しながらも後半の3ゴールで逆転し、過去2分け11敗と未勝利だった相手との通算14試合目で歴史的な初勝利を飾っていた。

 記者会見では前回に勝利に関する質問も海外記者から向けられ、森保監督は「ブラジルと戦う時の厳しさがさらに増したと思っている」と断言。「(今大会で)全ての選手がいるわけではないが、ブラジルの選手、チームは前回の親善試合で負けたことで悔しさも残っていると思うので、明日はブラジル代表がモチベーション高く、今度は我々に勝つということで戦いが厳しくなると思っている」とリベンジに燃える相手を警戒した。

 その一方で「ただ、これまでは勝率0%だったところが、我々にも勝つチャンスがあると分かったことが前回の親善試合の戦いだった」と前向きな点も指摘。「明日も厳しい戦いになると思うが、我々も勝利を掴み取れるように、全力で挑みたい」と意気込みを語った。

 さらに会見ではアジアサッカーに造詣の深い記者から日本代表が世界一を目標に掲げていることについて「日本はこのW杯で勝つことを信じているが、下馬評の低いチームとも言われている。どう感じるか?」というおなじみの質問も挙がったが、森保監督は今年3月のイングランド戦前にも口にした「ダークホースとしての優勝」宣言で切り返した。

「世界的に評価の高いブラジルと、そうではない日本というのはごく当たり前。我々もW杯でチャンピオンを目指していることでレベルアップをしているし、ここで笑う方もいるかもしれないが、近い将来本気で目指して言っている。目標を立てることで日本人は必ず目標に到達できるから言っている。ブラジルは本命の優勝候補。皆さんには言ってもらえないが、自分たちで言うと、ダークホースの優勝候補が我々だという位置付けでやっている。リスペクトもあるが、勝つチャンスがあるということでまた歴史が変わるようなことが起こせるようにしたい」

 試合は29日現地時間正午(日本時間30日午前2時)キックオフ。森保監督にとっては前回カタールW杯のドイツ戦、スペイン戦に続くW杯優勝経験国との対戦。“ドーハの奇跡”を再現するジャイアントキリングを狙う。

(取材・文 竹内達也)