【子どもの脳科学】ぼーっとしている子はそのままが正解!脳の回復とひらめきを促す「DMN」とは!?【子ども脳疲労】

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「ぼーっとしている」子は、そのままぼーっとさせたほうがいい

何もしていない時間は、脳の大事な作業中

 子どもが何もせず、ぼーっとしている姿を見ると、つい声をかけて何かさせたくなってしまうものです。このままで大丈夫だろうか、時間をムダにしているのではないかと、不安になります。

 しかし、何もしていないように見えるときにも、脳のなかではしっかりと活動が続いています。これはDMN(デフォルトモードネットワーク)と呼ばれる状態で、休息しながらも脳内ではさまざまな調整が行われているのです。

 この時間に、脳内では情報の整理や経験のつなぎ直しが進みます。学校であった出来事や友だちとのやり取り、気になっていることなどが処理され、その過程で新たなアイデアがひらめくこともあります。外から見ると何もしていないように見えても、脳内では回復と準備が同時に進んでいるのです。つまり、次に動くためのエネルギーを少しずつ蓄えている状態ともいえます。

 ところが、この時間を「何もしていない」と判断してすぐに次の行動を促すと、回復の流れは途切れてしまいます。「ぼーっとしていないで、早くこれをしなさい」と声をかけられることで、子どもの脳は再び緊張状態に戻り、休める時間が短くなってエネルギーをためる機会が減るのです。

 脳を使い続けていては疲労がたまり、パフォーマンスは少しずつ落ちていきます。何かに集中していない時間があるからこそ、脳は休みながら準備を進めることが可能です。ぼーっとする時間は、ただ何もしていないわけではなく、効率よく働くための土台を整えている大切な時間なのです。

 もし子どもがぼーっとしていたら、とくに声をかけたりはせず、そっとしておきましょう。それが自由な発想を促し、さらなる脳の成長へとつながっていきます。

【出典】『子ども脳疲労』著:成田奈緒

【著者紹介】
成田奈緒子(なりた・なおこ)
小児科医・医学博士・脳科学者。発達脳科学を専門とし、子どもの睡眠や生活リズムと脳の発達の関係を長年研究。医療現場で多くの親子と向き合うなかで、子どもの不調の背景には睡眠不足や過干渉など家庭環境の影響が大きいことに着目する。脳の発達段階に即した子育てのあり方を提唱し、講演・執筆活動を通じて広く発信。親子支援事業・子育て科学アクシスを主宰し、保護者向け講座や教育支援にも力を注いでいる。著書に『誤解だらけの子育て』(扶桑社)、『子育てを変えれば脳が変わる こうすれば脳は健康に発達する』(PHP 研究所)、共著に『その「一言」が子どもの脳をダメにする』(SB クリエイティブ)などがある。