【清水 芽々】4人の夫と死別して「死神」と呼ばれた女性…新たな男性からプロポーズされるも「5度目の結婚」に悩む理由
神奈川県某所。中村美穂さん(仮名・57歳)は有名観光地の外れにあるマンションで独り暮らしをしている。
人当たりも良く、近隣住民からの評判も良い美穂さんだが、その穏やかな佇まいからは想像できないほどの過酷な人生を送ってきた。彼女はこれまでに4回結婚し、4回とも夫に先立たれるという不幸に見舞われている。
前編記事『4回結婚して4人の夫に先立たれ…「死神」と呼ばれた女性が「夫の親族」から浴びせられた心ない「誹謗中傷」』より続く。
「死神なんじゃないの!?」
周囲に背中を押され、42歳のときに中学時代の同級生C氏と再再婚をした美穂さん。結婚生活は順風満帆だったが、3年ほど過ぎた頃、またもや悲劇が訪れる。
「建築関係の仕事をしていた夫が現場で倒れたんです。脳幹出血で、救急搬送されたんですが、間に合いませんでした」
日頃から血圧はやや高めだったものの、他に何の異常も見られず、健康体だったC氏が急逝したことで、C氏の身内は美穂さんを不審な目で見るようになる。
「この時、義妹から『美穂さんは死神なんじゃないの!?』と言われたんです。義妹は夫と仲が良かったので、やりきれなさから思わず出た言葉だったかも知れませんが、私は冷水を浴びせられたような気分でした」
亡き夫の妹の口から出た「死神」という言葉は、無神経な人間たちの間で語り継がれ、美穂さんの子ども達は小学校でイジメを受けるようになる。
「死神の子どもだとか、悪魔だとか言われたみたいです。『縁起が悪いから、あの親子には近づかないほうがいい』と言う保護者もいました。とんでもない言いがかりに腹が立ちました。でも、3人も夫を亡くしていたら、怪しまれて当然かもしれませんね……」
反論することもできないまま、美穂さんと子どもたちは再び県外へ引っ越した。
自称・霊能者にお祓いを頼んだが…
「誰も知らない場所で心機一転したかった」
そう考えた美穂さんはネットで知り合った自称・霊能者の女性Xを訪ねた。
「さすがに私も自分が普通じゃないと考えるようになったんです。Xが言うには、私の先祖に男を手玉にとって次々と破滅させた遊女がいたそうで、その因縁で私の夫は短命だというわけです」
美穂さんはXのお祓いを受けて高額の祈祷料を払っただけではなく、勧められるままにお守りや魔除けグッズなどを購入。トータルで500万円余りを散財した。
「Xのところには1年くらい通い、『厄払いは済んだ』と言われました」
その後は平穏に暮らしていた美穂さんだが、50歳の時、長女の同級生の父親D氏に交際を申し込まれる。
「彼は年下でシングルファザーでした。子どもを通して2年ほど家族ぐるみの付き合いをしていたので、自然な流れのように感じました」
お互いの子どもの「家族になりたい!」という声に煽られた形ではあったが、美穂さんとD氏は結婚する。美穂さんは52歳、D氏は46歳だった。
「私の歴代の夫は全員40代で亡くなっています。Dも同じく40代なのでその点がどうしても気になったのですが、厄払いは終わっているはずなので大丈夫だと信じていました」
新たな男性からプロポーズされた
そんな美穂さんの願いも虚しく、結婚3年目にD氏も亡くなってしまう。
「自宅の階段から落ちて亡くなりました。ちょうど私も子どもたちも出かけていて、家には夫ひとりだったんです。打ちどころが悪かったようで、私が最初に見つけた時は意識が無く、病院に運ばれましたが、意識が戻ることはありませんでした」
厄払いは済んだのではなかったのか――悲しさよりも怒りで身体が震えたという美穂さん。だが、長女の怒りはそれよりも凄まじく、
「ママはやっぱり死神だったんだね」と言い残して家を飛び出してしまう。
「長女はそのまま私の実家に行って帰ってきませんでした。これがきっかけで、私も長女も、夫の連れ子とは絶縁関係になっています」
長女に続き、就職した長男も家を出てしまったため、1年ほど前からひとり暮らしをしている美穂さんは、「家にいると気が滅入る」という理由でひとり旅をするようになった。
半年ほど前には、旅先で知り合った男性E氏からプロポーズをされている。
「舞台関係の仕事をしている人なんですけど、元役者でちょっと変わってるんです。私の過去をすべて知った上で結婚したいと言ってくれたんです」
子どもたちも手を離れ、「ひとりが寂しくなっていた」という美穂さんは彼のプロポーズに心が揺らいでいるというが、「今はまだ決められない」という。
「理由は彼がまだ48歳だからです。だから『50歳になったらね』と言っています」
2年後、50歳のE氏と美穂さんは結ばれるのか……。彼女に幸せな未来が訪れることを願いたい。
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