「この時期に投げられるというだけで、もう大丈夫」名将・岡田彰布が認めていた盒桐攷佑痢班活” 単なる勝利ではなかった巨人戦

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東京ドームのマウンドで躍動し、久々の完封勝利を挙げた郄橋(C)Getty Images

 9回裏、二死二、三塁。一打サヨナラの局面でラストバッターを142キロの2シームで仕留めた刹那、普段はマウンド上であまり感情を表にしない男は珍しく吠えた。その姿からも、郄橋遥人にとって、手にした1勝が、単なるものではないのは明らかだった。

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 3月28日に東京ドームで行われた巨人戦に先発登板した阪神の郄橋は、9回(112球)を投げ切り、被安打3、与四球2、6奪三振、無失点と快投。5回に岸田行倫に内野安打を打たれるまで“ノーヒットノーラン”を継続するなど強力な相手打線に付け入る隙をほとんど与えずに、実に1638日ぶりの完封勝利を挙げた。

 22年4月に執行したトミー・ジョン手術など幾度となく治療と怪我が重なり、気づけば、プロ9年目。とても「若虎」とは呼べない30歳となり、相当な覚悟を持って挑んだ今季は、プロ入り初の開幕一軍ローテーション入り。試合後のフラッシュインタビューで「アドレナリン出た」と漏らしたように、球団のライバルである巨人との伝統の一戦での抜擢を意気に感じて投げ抜いた。

 もっとも、そのポテンシャルは誰もが認めるところではある。開幕が間近に迫っていた今月21日に行われたオリックスとのオープン戦でテレビ大阪のゲスト解説を務めた阪神前監督の岡田彰布オーナー付顧問は、3回をパーフェクトに抑えていた郄橋を目にし、「いやいや。良さそうというか、普通でこれなんですよ」と強調。そして、「2年前はボルトが入っていたから。ずっと手術とリハビリが続いてきたし、この時期に投げられるというだけで、もう大丈夫。やっと生身の身体でね、投げられる」と太鼓判を押していた。

 百戦錬磨の名将も「普通にやればいい」と認めるほどの可能性。この巨人戦は、まさにそれを証明したと言えよう。

 藤川球児監督も試合後のテレビインタビューで「素晴らしいピッチング」と繰り返したほどの内容で1勝目を手にした郄橋。8年間ももがきながら、淡々と努力を重ねてきた30歳の左腕に期待が膨らむ春の快投だった。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]