60代から「ひとり旅」を最大限に楽しむコツ。スカーフ1枚は必須、疲れる前に食べる:3月に読みたい記事
ESSEonlineに掲載された記事のなかから、3月に読みたいベストヒット記事をピックアップ!
昨今ブームになっている「ひとり旅」。「50代からひとり旅にハマっています」と話すのは、成人した3人の子をもち、現在はひとり暮らしをしている著述家の中道あんさん。思い立ったらふと旅に出ることもあるというソロ活達人の中道さんに、60代以降からのひとり旅を「より快適にするコツ」を紹介してもらいました。未経験や初心者の方にもおすすめのアイデアが満載です。
※ 記事の初出は2025年3月。年齢を含め内容は執筆時の状況です。

あえてひとつの目的をじっくり堪能する
ふと思いたって1泊2日の旅に出ました。一度気に入った場所は何度も訪れ四季折々の変化を楽しみ、その場所の魅力を深める。今回は、自宅の最寄り駅から電車で1時間半くらいの京都府亀岡市にある湯の花温泉へ行ってきました。
とはいっても、ただ温泉に入るだけなら日帰りプランで十分です。今回の目的は、少し寄り道をして、京都の京セラ美術館で始まったばかりの『モネ 睡蓮のとき』を鑑賞すること。スマホから目を離して読書の時間を設けること。本格的な会席料理にワインを合わせてみることです。
美術館のそばには、いくつか観光名所もあります。欲張れば、いろんなことができちゃうのだけれど、あえてひとつをじっくり堪能するのをよしとする旅。そして時間を有効に使うことを目的としました。
疲れる前に休むこと
まず、美術館に着いたら先に腹ごしらえをすることにしました。12時を過ぎたら、どのお店も満席になってランチ難民になるはず。家から電車で1時間ちょいとはいえ、朝から犬の散歩をして、洗濯を干して出てきたらコーヒーを飲んでいる暇さえなかったのです。まずは、しっかりエネルギーチャージが必要です。
60代からの旅は、疲れる前に休むことです。旅先で倒れちゃってはシャレにならないですからね。
さて、レストランを出ようとしたら、ちょうどお昼どきで順番待ちの長蛇の列でした。タイムロスをなくすには、お店に並ばなくてもいい方法を考えることも大事なのです。
旅にはスカーフは必需品

また、美術館では両手をあけておきたかったから、お財布ポーチしかもっていません。なにかを購入したときに入れるカバンがありません。そこで、首に巻いていたスカーフを外して四隅を縛って手さげ袋に変身させました。旅のお供にスカーフは防寒や冷風よけ、カバンや敷物になるので必ず1枚持っていきます。
ひとりだからこそ、しっかり下調べしてから行動する
さて、せっかく京都にきたのだから、美術鑑賞のあとは京都らしいカフェでお茶でもしようと思い立ちました。たまたま、駅から美術館へ行く道すがらいい感じのお店を見つけておいたので入ってみました。結論から言うと、無愛想な接客にそれまで高揚していた気持ちがクールダウン。やはり、下調べせずに入っちゃうと残念な結果になることもあります。これも旅の醍醐味だと考えて広い気持ちで抹茶をすすりました。
このあと、電車に乗って「いざ亀岡に!」と思って改札を通ってホームに降りて、ハッと気がつきました。荷物をコインロッカーに預けていたことを忘れていたのです。あと1分で電車が出るところだったので慌てていたせいでしょうが、ひとりだと声をかけてくれる人もいないので、心にゆとりを持って行動しないといけません。あのまま電車に飛び乗っていたら、なにもかも台なしでした。
宿の食事は個室か半個室がゆったり過ごせる
というわけでいろいろありましたが、無事に宿に到着。そんなに歩いたわけでもないし、人混みにもまれたわけでもないはずなのに、足はむくんでいるし体も疲れていました。部屋のベッドにダイブすると重い体がマットに沈んでいくのを感じます。
あぁ、これが60代なんだろうなと実感。しばらくぼんやりとして過ごし、持ってきたお菓子をボリボリと食べてひと休み。

すぐにでも温泉に行きたいけれど、この時間はほかのお客さまも大浴場に行くだろうから、あえて部屋ゴロを楽しみます。その代わりに夕飯を早めにしてもらい、お食事処へ行くと、なんと個室にとおされました。何度となく宿泊していますが、初めての個室利用です。
ひとり旅では、ひとりで寂しそうに思われないか、とくに食事のときに人の目が気になったりしますが、半個室か個室で食事を提供してくれるお宿を利用すると安心です。
ひとりですから、ちょっぴり寂しい気持ちにもなります。だから、いつもと違う注文をしたり、接客係りの人に積極的に料理について尋ねたりして、自分で自分を盛り上げていきます。
お風呂の時間を周りとずらして楽しむ

部屋に戻って、胃袋が落ち着くまで読書をしたりして過ごします。さぁ、そろそろ寝なくちゃという時間になって浴場にいくと、当然のごとく貸しきりでした。露天風呂を独占できるなんて最高のぜいたくです。
露天風呂も朝いちばんは爽快です。今度は早めに行くと、また貸しきり状態でした。新鮮な空気を胸いっぱいに吸いこんで瞑想すると、自分は十分満たされて幸せであることに気づけます。瞑想は難しくもありますが、ただ自分の呼吸に意識を向けつづけ、手足が温かいだとか、お湯の流れる音に耳を傾けるなどするとやりやすいです。
本を一冊持っていくといい
朝食はテーブルいっぱいに並べられたお料理を堪能し、そのあと、お宿のライブラリーで大きな窓のから外の景色をながめながらのコーヒータイムです。チェックアウトまでは、斜め読みしないように意識しながらしっかり読書を楽しみます。
本はどこでも読めますが、普段と違う環境だと読む込みやすくなります。なので、必ず1冊は持って行くようにしています。
「なにもしない」という目的で旅をしてもいい
最後は京都駅のイノダコーヒーで名物プリンと熱々コーヒーをお供に読書して、1泊2日の近場温泉旅行は終了しました。近場だからといって、なにもすることがなくつまらないと思われがちですが、「なにもしないことをする」目的でもいいと思います。
人間は年齢を重ねるごとに意欲が低下していきます。新しいことへの興味が薄れ、体を動かすことが億劫(おっくう)になり、やがて家から出ようとしなくなります。意欲が低下すれば、お金を使わなくなりますから、お金の不安は少なくなるでしょうが、一気に老けこんでいきます。
だから、ときにはぜいたくをすることで「やっぱりお金は必要だ。働こう!」という気にさせてくれます。旅は私にとって働く意欲を高めるものでもあるのです。
