JRT四国放送

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市場に出回らない魚を譲り受け、アクセサリーを作る新しい取り組みが牟岐町で行われています。

取り組んでいるのは、地域おこし協力隊として活動する女性。

アクセサリーづくりに込めた想いを取材しました。

(牟岐町地域おこし協力隊・石橋京華さん)
「もう本当に、生命力あふれる魅力がぎゅっと詰まった素敵な海です」

美しい海と山に囲まれた自然豊かな町、牟岐町。

古くから漁業で栄えた漁師町です。

2025年4月から、地域おこし協力隊として活動している北島町出身の石橋京華さん。

11月から、廃棄される魚を使って新しい活動をはじめました。

(牟岐町地域おこし協力隊・石橋京華さん)
「おはようございます」

朝6時。

夜明け前に訪ねたのは、地元で伊勢エビ漁を営む枡田さん兄妹です。

(牟岐町地域おこし協力隊・石橋京華さん)
「今日どんな感じですか?すごい」

(漁師・枡田佐代子さん)
「今日捕れた魚これ」

(牟岐町地域おこし協力隊・石橋京華さん)
「あ、タカノハダイも」

(漁師・枡田佐代子さん)
「ちょっと前より小さいんだけどね」

9月から翌年5月にかけて、さし網で捕る伊勢海老。

しかし、網にかかるのは伊勢海老だけではありません。

未利用魚と言われる、牟岐町の漁協では出荷できない、毒を持ったアオブダイや、市場価値の低いタカノハダイといった魚もかかってしまいます。

(牟岐町地域おこし協力隊・石橋京華さん)
「鱗自体の形がそのまま活かせるんで、めっちゃかわいい」

この魚から作るのは、なんと鱗のアクセサリー!

2025年11月からはじめ、今後、利益の一割を牟岐町内の漁協へ寄付する予定です。

(漁師・枡田佐代子さん)
「こちらがもう感謝だね、使い道を作ってくれたので。魚にも命があるので、ほかの漁師さんもそう思ってると思う。ありがたい」

(牟岐町地域おこし協力隊・石橋京華さん)
「ありがとうございます」

(漁師・枡田佐代子さん)
「寒い中、本当にご苦労様でした」

(牟岐町地域おこし協力隊・石橋京華さん)
「お世話になりました」

持ち帰った魚は自宅で捌きます。

担当は夫の山河さん。

東京都出身で、地域おこし協力隊として活動後、観光に携わる仕事をしています。

(夫・石橋山河さん)
「捌いて捌いて、捌きまくっています」

(牟岐町地域おこし協力隊・石橋京華さん)
「捌き方は彼の方が全然上手で、ちょっと私は今練習中なんですけど、あんまり上手くまだ捌けなくて」

もともとダイビングが趣味の石橋さん。

北島町から牟岐町に移住したきっかけは?

(牟岐町地域おこし協力隊・石橋京華さん)
「旦那さんが先に前任の地域おこし協力隊をこの町でやってまして、私も遊びに来るようになって」
「牟岐の人の温かさとか海の豊かさにほれ込んで、この町で地域おこし協力隊として仕事しながら移住したいなと思って」

親子を中心に海について知ってもらうきっかけを作ろうと、今は海洋保護のイベントやツアーを企画しています。

そんな中、インターネットで鱗を活用したアクセサリーが作れると知り、牟岐町の魚で製作をはじめました。

取り除いた鱗は、水や中性洗剤を使って皮や臭み、油分を落とします。

半日ほど乾かせば、いよいよ作品作りへ。

(牟岐町地域おこし協力隊・石橋京華さん)
「この中から、お好きな二枚を選んでいただきたいんですが」

(記者)
「結構四角なんですね、鱗って」

(牟岐町地域おこし協力隊・石橋京華さん)
「はい、タカノハダイは私も取ってびっくりしたんですけれど、割と四角、四角いのが櫛鱗」
「アオブダイの比較的丸い形は円鱗」

(記者)
「魚の種類によって、鱗の形もそれぞれ特徴があるんですね」

(牟岐町地域おこし協力隊・石橋京華さん)
「日光が当たると、きらきらっとラインが出てくるようになるので、すごく綺麗な模様になってきます」

まず、乾燥させた鱗に水分を含ませて元の形に戻します。

そして、形が変わらないうちに色を塗って紫外線ライトで固めていきます。

塗って、固めて。

塗って、固めて。

指先で繊細な作業を進めていきます。

(牟岐町地域おこし協力隊・石橋京華さん)
「一匹お魚をもらうと、捌いて鱗を剥いで、一枚一枚洗って干して、もうほぼ一日がかりでここまでするのに」

最後に穴をあけ、パーツを取り付けたら完成です!

(記者)
「世界にひとつだけのイヤリングが出来上がりました。一つ一つ違った個性を楽しめます」

鱗をバランスよく並べて固めると、まるで海のお花のよう。

木の年輪と同じように、成長に連れて現れる鱗の線には、魚の生き様が刻まれています。

(牟岐町地域おこし協力隊・石橋京華さん)
「おはようございます」

この日も牟岐町漁協では、伊勢海老にアオリイカ、活きの良い様々な種類の魚が出荷されていました。

(町の漁師は)
「あ、この方!海のためによくやってくれるし、第一美人で」

(牟岐町地域おこし協力隊・石橋京華さん)
「いやいや」

(町の漁師は)
「牟岐にいろいろしてくれたらいいと思います」

(町の漁師は)
「学校で授業を先日したんですけれど、その時に立派な鯛を提供してくださって」

(町の漁師は)
「またいつでも協力させてもらいます」

漁協の方に話を聞いてみると。

(牟岐町漁業協同組合・柿本翼さん)
「魚に興味を持ってほしいですね、今の若い子はあんまり食べないので」
「アクセサリーとか観点がいい。かなり期待はしています」

(町の漁師は)
「これからも鱗アクセサリーを、いろんな魚の鱗を使って商品を展開していきたい」
「引き続き作っていく中で、この鱗の作品を手に取ってくださった方が、少しでも牟岐の海に興味を持ってくれたり」
「海洋保全に興味を持ってくれるきっかけになればうれしいと思う」

捨てられてしまうはずだった魚の鱗。

余すことなく海の恵みをいただいて、光り輝くアクセサリーへと生まれ変わりました。

新しい水産資源への挑戦に、今後も期待がかかります。

この鱗を使ったアクセサリーは、石橋さんが営む会社・エメラルドブルーのホームページで購入でき、ふるさと納税にも申請中だということです。