日本一高いサバ缶は世界一おいしかった!?福井缶詰×サバヌーヴォーのサバ缶をサバジェンヌが実食
これまで数々のサバ缶を紹介してきた、サバジェンヌことライターの池田陽子さん。今回出合ったのは日本一高額(!?)のサバ缶。福井県小浜市の缶詰メーカー「福井缶詰」が、ノルウェーのサバヌーヴォーで作った逸品です。そのおいしさに、サバジェンヌも驚愕!
ノルウェーサバと向き合いつづけたメーカーが出合った“新物”
これまでもさんざん、劇的なおいしさをお伝えしてきた「サバヌーヴォー」。
サバヌーヴォーはノルウェーでの水揚げから日本の販売店まで、一度も冷凍することなく空輸された、旬の「新物ノルウェーサバ」。なおかつ脂肪率約30%、重量500g以上!
ノルウェー大使館水産部、JAL、JALUXの連携により実現し、2021年より販売がスタート。今年で5年目を迎えた。

サバヌーヴォー。ノルウェーで水揚げされてから最速72時間で日本入り! ありえないほど鮮度バツグン
ともかくその卓越したおいしさは感動モノ。
焼けば、その身は奇跡の「ふわふわ食感」。そして「キング・オブ・ジューシー」! A5ランクの、霜降りステーキと匹敵するほど! そして特筆すべきは、バツグンすぎる脂のりだけど、まったく脂に重さがない。水にも溶けそうなくらい、軽やかでピュアなオイル。
刺身で身はプリッとした食感、そして「とろけMAX」といっていいほどの「とろけっぷり!」。
そんなサバヌーヴォーの新たなビッグニュースが舞い込んできた。
なんと!「サバ缶」に! ぎゃーーーーーーー!! 事件ですよ!!
手がけたのは福井県小浜市の缶詰メーカー「福井缶詰」。鯖街道のお膝元である小浜市に本社を構える同社は、昭和18年創業。サバ缶の老舗であり、その高い技術で数々の絶品サバ缶を送り出している。

福井缶詰。こだわりを尽くしたサバ缶は多くのファンをもつ
福井缶詰のサバ缶製造には大きな特徴がある。特徴はサバを缶に入れて、いったん蒸して、余分な水分や脂分を除去してから加工するという独自の「蒸し加工」で下処理を施すこと。
だから味も旨みはしっかり、けれど品がよく穏やか。クセ、雑味がなく後味は「スッキリ」。缶汁も「サバ缶界の大吟醸」と呼びたいほどの澄んだ味わい!

福井県民に愛されてやまない福井缶詰自社ブランド「マーメイド印の鯖水煮」
あの高い技術で仕上げたなら、とんでもなくおいしいに決まってる!!!
「旨いです。わたし的には世界一おいしいと思ってます」と語るのは、福井缶詰代表取締役社長の重田洋志さん。

重田洋志さん。ジェンヌもお世話になりっぱなしだが、サバ缶への情熱、加工における創意工夫はサバらしすぎる!
「とにかく、最初にサバヌーヴォーを食べたときに、あまりのおいしさに感動しました」と重田さん。「とんでもない脂のり、しかも冷凍されていないフレッシュなノルウェーサバ。これを使ったらとんでもないサバ缶ができるじゃないか、と」。
じつは、福井缶詰とノルウェーサバの付き合いは長い。
福井缶詰は昭和18(1943)年設立。そもそもサバ缶に使っていたのは地元・小浜のサバだった。若狭湾でとれた、脂のりバツグンの大きなサバをそのまま缶詰にしたサバ缶は、多くのファンをもつ人気商品だった。
ところが、1970年代後半には、若狭湾のサバ漁獲量が激減。やむなく製造を中止せざるを得なくなった。
しかし、なんとか再度サバ缶が作りたい、と1990年にサバ缶の試作をスタート。「他県のサバをとりよせて試作を繰り返したものの、脂質量が足りずになかなか納得できるものが完成しなかったようです」と重田さん。
そこで、目をつけたのが「ノルウェーサバ」だ。
いまでこそ、当たり前になっているものの、当時は流通も少なく、一般的にはほぼなじみがない存在。けれど「試作をしてみたところ『間違いないおいしさ』。輸入にコストがかなりかかる時代でしたが、先代の社長(現:会長)が英断。ルートをみつけて製造を開始しました」と重田さん。
かくして、ノルウェーサバ缶の販売を開始。ちなみにノルウェーサバで、サバ缶を初めて作ったのは福井缶詰である。
それから35年、一貫してノルウェーサバと向き合い続けてきた福井缶詰の前に、現れたのがサバヌーヴォーだった。
福井で獲れたサバ缶をサバヌーヴォーで復刻
前述のとおり、サバヌーヴォーを食べて感動した重田さん。さっそく、缶詰加工を行った。
「これは、別もんや!」

マーメイド印の「鯖味付き」も人気商品。もちろんノルウェーサバ使用
またまた、できあがった缶詰のおいしさに感動。
感動したのは重田さんだけではない。かつて若狭湾で獲れた大きなサバで作ったサバ缶の味を知る、会長や社員たちが「これは当時の味や」と感動に打ち震えたのである。
当然ながら、かつて地元で獲れたサバは冷凍を施すことなく製造されていた。ジェンヌさんから説明しておくと、フレッシュの状態で製造したサバ缶は、冷凍品を使ったものと食べ比べると、はっきりわかるほど違いがある。身がほどけるように柔らかく、ジューシー。原料のよさがダイレクトに反映される。
そもそものポテンシャルが高いサバヌーヴォー。さらに生。缶詰の中でも最高のパフォーマンスを発揮したのである。
最も旬の時期に獲れた「生のノルウェーサバ」を使ったサバ缶の製造、販売に至ったのも福井缶詰が初めてになった。
サバヌーヴォーで作ったサバ缶のおいしさをもっとブラッシュアップしたい。「冷凍されていないサバに合う加工を模索しました」と重田さん。
塩味や蒸し時間などさまざまな工程、調味を試行錯誤してサバヌーヴォー仕様にするべく、ようやく完成。
その名は「復刻 鯖缶」。

復刻 鯖缶(サバヌーヴォー使用)水煮
かつて地元で獲れたサバの味わいを、サバヌーヴォーで再現。ノルウェーサバとともに歩んできた福井缶詰にしかできない自信作がデビューを果たすことになった。
「完璧なおいしさです」と重田さん。そして小さな声で「けど高いです……」。
お値段、1缶2160円。
現時点で一般販売されている、「日本一高いサバ缶」である(ジェンヌ調べ)。
いや。なんてったってサバ界のスーパースター・サバヌーヴォーのサバ缶である。スーパープレミアムである。そりゃあ日本最高峰の価格になることはおしてしるべし。心していただこうではないか。
実食! 社長の言葉に偽りなしの旨さ
「復刻 鯖缶」は水煮と、唐辛子入りの2種類。ボックスには金の箔押し、花々が舞い散るサバ。ゴージャス!

復刻 鯖缶(サバヌーヴォー使用)水煮 2缶セット(4320円)

復刻 鯖缶(サバヌーヴォー使用)唐辛子入り 2缶セット(4320円)
まずは水煮を開缶。
わ。佇まいが一般的なサバ缶とまったく違う。

澄んだ缶汁の中にたゆたう、脂のりバツグンのサバヌーヴォー
身が白い! 缶詰の中に「霜降り」降臨(涙)。ひと口食べてみると……え? ジェンヌ、動揺。
舌で押すだけで、とろり、ほろりと崩れるって……。ク、クリーム級のなめらかさ!
身はふわっと、しっとり。焼いたサバヌーヴォーを食べたときの「脂をまとった、フカフカ食感」が再現されている。
それにしても、うーん、まろやか、とろける。そしてみずみずしい旨みがほとばしる!

見よ! ふっくらもりっとした身を!
ええ。凄いです。「全部が完璧」。ミシュラン5つ星レベル!
目を閉じて、真摯に味わっていただきたい逸品。アレンジ無用。
強いていえば、「サバ缶」ではなく「サバそのもの」扱いで。刺身のようにワサビとともに。海苔で巻いて。焼きサバのように、大根おろしを添えて。
また、すし酢をかけると「しめさば」風でこれもまた旨し。

刺身扱いでいただきたい。銘酒とともにいただけば感涙モノ
そして缶汁がまた、むちゃくちゃ旨い! お茶漬けにしても「至高のサバ茶漬け」が完成!!

ご飯にのせて、缶汁をたらりでまずひと口。ああ、旨い。お茶漬けにしてすする。うう、旨い
続いて「唐辛子」。サバにピュアな辛味を合わせるべく、粉末ではなく「さや」ごと使用。「粉のほうがサバに均一になじみますが、ムラができてもさやのほうが風味が際立つんです」と重田さん。関西風のまろやかな特注の醤油で仕上げてある。

唐辛子はさやごと2個入っている
いざ、実食! 箸をあててみる。あれ? あれあれ。感触が「フカッと」しているんですけれど、これ。
食べてみる。えー。食べても「フカっ」。世の中のありとあらゆるサバ缶を食べてきたけれど、まったくこれまで体験したことのない「フカっ」。ジェンヌ、またまた衝撃。
例えるなら「ショートケーキ」のよう。しっとりした生クリームとスポンジケーキを口の中にいれた、あの感じ。
まろやかな醤油味のサバは、雑味なくエレガント。優雅な旨みを楽しんだあとに、爽快な辛味が駆け抜ける。ああ、こちらもパーフェクト!

水煮とはまた違った「フカっ」食感が楽しめる唐辛子入り。辛みはマイルド
いやはやこれはもう、確かに「世界一」かも!!! ノルウェーと日本の最高傑作。ぜひ一度お試しを!
■「福井缶詰」https://www.fukuican.co.jp/
・楽天市場でのショップ
「水煮」https://item.rakuten.co.jp/fukuican-mermaid/345426-02/
「唐辛子」https://item.rakuten.co.jp/fukuican-mermaid/345433-02/
取材・撮影/池田陽子
全日本さば連合会広報担当 サバジェンヌ/薬膳アテンダント。サバを愛する消費者の集まりである「全日本さば連合会」(全さば連)の広報を担当。日本各地のサバ情報の発信、サバ商品のPR、商品開発等を行う。北京中医薬大学日本校を卒業、国際中医薬膳師資格を持ち、薬膳アテンダントとしても活動。水産庁「海の宝!水産女子の元気プロジェクト」認定メンバー。著書に『サバが好き!〜旨すぎる国民的青魚のすべて』(山と渓谷社)、『ゆる薬膳。』(日本文芸社)など。全さば連HP:http://all38.com/
