気温がグッと下がった今日この頃。浴室や廊下がやけに寒い…と感じることはありませんか? そのままにしておくと、自分や家族がヒートショックを起こす危険性が高まるかもしれません。そこで今回は、年末年始の帰省シーズンに知っておきたいヒートショックの「危険サイン」と改善策を、医師であり入浴評論家の早坂信哉先生に教えてもらいました。

ヒートショックが起こりやすい場所は「風呂」がダントツ

ヒートショックとは、急激な温度差によって血圧が急上昇・急降下し、心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気を引き起こす健康被害のこと。とくに冬場の入浴時に多発し、血管が硬くなった高齢者ほどリスクが高まります。

「ヒートショックは、温度差が生じやすいお風呂場でもっとも起こりやすいです。とくに冬場は、服を脱いで寒さに直接身をさらし、冷えた体で温かい湯船に入るため注意が必要。また、ベランダへ出るときや夜中にトイレに行くときなど、家の中のあらゆる場所で起こり得ます」(早坂先生、以下同)

必然的に温度差が生じやすいお風呂場ですが、具体的にどのような環境だとヒートショックが起こりやすいのか、教えてもらいました。

ヒートショックを引き起こす風呂の傾向

ヒートショックを引き起こしやすい、風呂に関する「ある傾向」がある、と早坂先生は言います。その傾向を3つ、教えてもらいました。

●傾向1:脱衣所がひんやり寒い

「5℃以上の温度差があると、ヒートショックのリスクが高まります。リビングが暖かくても、脱衣所が寒いと一気に血圧が上がるため、脱衣所も暖かくしておきましょう」

●傾向2:給湯温度が42℃以上である

「42℃以上の熱いお湯は交感神経を刺激し、血圧を上げてしまいます。熱さがたりない場合は、最初は40℃で入浴し、『追い焚き機能』で徐々に温めると、血管の負担が軽くなります」

●傾向3:長風呂が習慣になっている

「長時間お湯につかると血管が拡張し、血圧が下がります。湯船につかりながら動画やマンガを楽しんでいる人は注意しましょう」

「冬場は熱いお風呂に入って温まろう」と考えがちですが、42℃以上のお湯や長風呂は、かえって体に負担をかけてしまうそう。この3つに注意して、健康的な入浴習慣を心がけたいですね。

今すぐできるヒートショック改善策7つ

温度差をなくす対策として、床暖房をつけるなどの方法もありますが、大がかりなリフォームはすぐには難しいもの。そこで、今日から取り入れられる対策を教えてもらいました。

●対策1:脱衣所を暖める

「脱衣室は安全な暖房器具を置いて入浴前に温めます。浴室でシャワーを1〜2分間出して浴室のドアも開けると、浴室だけでなく脱衣所も湯気で少し温まります」

●対策2:湯船のフタをあけて浴室を暖める

「さらに入浴前にフタをあけて、湯気を立てておくと、浴室全体の室温が上がって温度差を縮めることができます」

●対策3:かけ湯をする&入浴は10分を目安に

「手足から体の中心へかけ湯をして体を慣らしていきましょう。入浴時間は10分を目安にすると、血圧の急降下を防げます」

●対策4:入浴時には家族にひと声かける

「万が一ヒートショックが起きた場合などに、異変に気づきやすくなる。単身の場合はスマホを脱衣所に持ち込みましょう」

●対策5:湯船からはゆっくり立ち上がる

「急に立ち上がると、ふらついた際に転倒のもとに。手すりにつかまりながらゆっくり立つと、立ちくらみを防げます」

●対策6:入浴前にコップ1〜2杯の水を飲む

「年齢問わず、入浴中は500〜800mLの汗をかくため、水分補給が大切です」

●対策7:廊下ではスリッパ着用&1枚羽織る

「『一瞬だから』と油断しがちですが、寒さを感じてから20〜30秒で血圧は上がります。夜中のトイレなども、素足で歩かないようにしましょう。肌寒く感じたら1枚羽織っておくと安心です」

早坂先生によると、ヒートショックで心筋梗塞や脳梗塞のような症状を引き起こす動脈硬化は「50代から進行が加速する」そう。両親が元気そうに見えても、血管の老化は確実に進んでいると考えて、帰省時には、お風呂まわりの環境をさりげなくチェックしてみてくださいね。

もちろん、自身の対策も忘れずに行いましょう。