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牛乳でお腹がゴロゴロする人へ

熊本県人吉市にあるスーパーです。

【写真を見る】牛乳でお腹がゴロゴロする人へ!10年かけて商品化した九州初「A2牛乳」の挑戦

牛乳売り場では、あるポップが大きく目立ちます。

「次世代型」の文字?今、注目を集める新たな牛乳です。

作っているのは、球磨酪農農業協同組合。

球磨酪農農業協同組合 松山恵課長 「飲んでもお腹がゴロゴロしにくいと言われていて、今、我々以外で作っていらっしゃるところは九州内にはありません。ですから、われわれが九州初ということになります」

九州初のA2牛乳って?

今年4月、球磨酪農が九州で初めて商品化した「A2牛乳」。

A2とは、ウシの遺伝子のことで、見た目や味わいは一般的な牛乳と一緒ですが、遺伝子レベルで管理・生産される牛乳です。

ウシの遺伝子は、「A1・A1型」「A1・A2型」「A2・A2型」の大きく3つに分類されます。このうち、A1の遺伝子を持つウシの牛乳には、「A1型β-カゼイン」というタンパク質が含まれ、これがおなかの緩みに影響すると言われています。

ということは、A1型β-カゼインを含まない牛乳、つまり「A2・A2型」のウシだけの牛乳が作れれば、おなかが緩くなりにくいのでは!?と誕生したのが、この「A2牛乳」です。

ウシを遺伝子で分ける、どうやって?

しかし、大量の乳牛をどうやって遺伝子型で分けるのでしょうか?

熊本県錦町の酪農家、立作浩一さん。酪農歴30年のベテランです。 

現在、「A2・A2型」の乳牛30頭を育てています。

酪農家 立作浩一さん 「牛乳を飲んだらどうしても、トイレが近くなっている人が、近くならない可能性があるっていうことは、消費者に受け入れられるんじゃないかっていうことで、取り組み始めたのが10年ほど前ですね」

10年の歳月をかけて「A2・A2型」のウシを選別した立作さん。欠かさず続けていることがあります。

酪農家 立作浩一さん「A2・A2の遺伝子型を持っていないといけないので、それを検査するために、今からサンプルを取ってアメリカに送ろうと思います」

生後1週間の子ウシに行うのは、遺伝子検査。個体識別の印を耳につける作業と同時に、検体を採取します。1か月後には遺伝子型が判明。A2型のウシたちを育て続けることで、A2牛乳の生産が可能なのです。

さらにこの検査では、ウシの健康状態も数値化。費用はかかりますが、A2牛乳の生産だけでなく、質の高い牛乳作りにもつなげています。

酪農家 立作浩一さん「病気をしない、乳成分が濃い。こういった一つひとつの……数%ずつですが、その数%が一世代ごとに伸びていくということがありますので。A2牛乳は今まで飲めなかった人たちという分母を増やせる、唯一の方法なんですかね」

A2牛乳は必ず朝イチに作業します

こうして搾られたA2牛乳は、朝一番に組合の工場へ。それには理由が。

球磨酪農農業協同組合 松山恵課長「あの、他の牛乳(A1型)とは分別をしなければなりませんので、まず最初にA2牛乳を作ることによって、ほかの牛乳と混ざらないようにしております」

一般的には、各牧場で集められた牛乳は同じタンクに入れられますが、球磨酪農では朝一でA2型だけを受け入れ、ほかの牛乳と混じわることを防ぎます。時間差が「A2牛乳100%」の商品生産を可能にしているのです。

酪農家と組合が協力し合って実現した商品。徐々に消費者のもとへ届き始めています。人吉市のスポーツ施設で働く、豊永華里奈さん。

人吉スポーツパレス 豊永華里奈さん「ちょっと大事なお仕事とかある時は、飲まなかったりとか、我慢したりとかはしてました。夏場は熱中症予防とかにも牛乳は良いって聞いたので、よく飲むように、この牛乳ができてから飲むようにしています。さっぱりしていて美味しいです」

A2牛乳に出会って以降、牛乳が日常的な存在になりました。

現在、球磨酪農でA2牛乳の生産に取り組む酪農家は2軒。生産量は決して多くはありませんが、A2牛乳を作ることに大きな意義があると考えています。

酪農家 立作浩一さん「今、牛乳という製品が必要だけれども、体質的に受け入れられない人たちがいますので、そういう人たちに一人でもですね、口にしてもらえるきっかけになればいいし、まあ、それが当たり前の選択肢だというような世の中になってほしいなと思います」