2025年の年間ランキング記事を振り返ります。【2025年ファッション部門3位】に輝いたのはこちらの記事でした。

街ゆくおしゃれさんのファッションを、すてきなイラストで分析する「東京おしゃれ図鑑」。今回の舞台は、夢と日常が交差する街「宝塚」。旬なファッションやメイクのイラストがインスタで支持されているヤベミユキさんが描きます。

※ 記事の初出は2025年5月。価格や年齢など、記事の内容は執筆時の状況です。

おしゃれにドラマを感じる人多し!夢と日常が交差する街「宝塚」

今回は「東京」を少し離れて、番外編として「宝塚」へ。

関西のおしゃれ好きにはおなじみ、宝塚大劇場と宝塚ホテルを中心に広がるこの街。夢の舞台に憧れる観客も、その舞台に立っていた人たちも、そして地元で暮らす人までも。

宝塚は、どこをきり取ってもまるで演出されたようなロマンチックさが漂っていました。

今回は、ホテルのロビーや劇場周辺で見かけた、まるで舞台から抜け出てきたような大人の女性たちをスケッチ。印象的だったのは、年齢を重ねたからこその大胆さと、配色や素材の引き算が絶妙なふたり。

5月上旬
最低気温 11℃ 最高気温 21℃
晴れ

70代、モダンと品格を両立した宝塚マダムの黒コーデ

宝塚ホテルのロビーで目を奪われたのは、まるで元タカラジェンヌのような70代のマダム。背筋がすっと伸び、所作まで美しく、ただ立っているだけで絵になる佇まい。

赤茶のショートヘアにニットのベレー帽、黒のコーデに白のカーディガンをくるりと首に巻いて。足元は黒のドクターマーチン、バッグは白のバオバオ(ISSEY MIYAKE)、指先には大ぶりの石のリング。

黒・白・赤茶の3色に絞られた配色も、肌を見せすぎない着こなしも、品格とモードのバランスが見事でした。

●配色とカーディガンの巻き方でワンランク上のおしゃれ

色を少なく、3色にすることで上品さとモード感を両立。バッグや大ぶりのリングも色が合っていて、細部まで洗練されていました。

今季はカーディガンの巻き方が進化中。肩がけではなく、肩に巻く「くるり巻き」なら、抜け感と立体感を演出できます。冷房対策にもおしゃれにもよさそうです。

50代、舞台の余韻をまとう「赤」を効かせた上級者

宝塚大劇場のおみやげ売り場で見かけたのは、真っ赤なシャツをさらりと着こなした50代の女性。

くすんだ朱色のベストを重ねた赤のワントーンに、グレージュのパンツ&同色のシアースカート。バッグとパンプスもくすみグリーン系でまとめられ、全身を「3色以内」に抑えたスタイルに、しばし見とれてしまいました。

ツヤのあるリーゼント風ショートヘアも相まって、どこか舞台の男役のような凛とした雰囲気。

手にしていたのは、スミレモチーフのクッキー。花の道のベンチも、ランチで使われていたスープカップも、すべてが舞台の小道具のように感じられました。

●派手色も「3色以内」でうまくいく

派手なコーデも、全体を「3色以内」に抑えることでまとまりのよいコーディネートに。

また、アイテムのかけ合わせ方がおしゃれ上級者。パンツ×シアースカートの同系色レイヤードで奥行きを出し、赤の濃淡と異素材ミックスで視線を惹きつけるグラデーションになっていました。

大人の大胆さと引き算の妙で特別な日の装いを彩る

まるで劇場のように、訪れる人の装いすら演出されている宝塚の街。

今回出会ったお2人から感じたのは、「年齢を重ねたからこその大胆さ」と「配色や素材の引き算の妙」でした。憧れの舞台を観に行く日も、何気ない日常の装いも、少しの工夫で「物語のある服」に変えられるのだなと実感。

街を歩くだけで、自分も少し舞台の一部になれたような、不思議な余韻が残る取材でした。

※ 「東京おしゃれ図鑑」は街ゆく人のファッションをヒントに独自のアレンジを加えて掲載しております。