JRT四国放送

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かつては漁業の島として栄えた、牟岐沖の島「出羽島」。

しかし今は人々が離れ、島からは活気が消えました。

そんな島にもう一度賑わいを取り戻そうと、ある夫婦が立ち上がりました。

夫婦の思いを取材しました。

■島の未来を変える女性

県南部・牟岐町の港から連絡船で15分の沖合に浮かぶ、周囲約4キロの小さな島・出羽島。

ここはかつて、1000人を超える人が暮らす島でした。

しかし、時代とともに人が離れ、今では30人ほどが静かに暮らす島へと姿を変えました。

その島に、再び活気を取り戻そうと、1人の女性が立ち上がりました。

木村空さん32歳。

空さんは、出羽島生まれの出羽島育ち。

■16歳で島を離れたが…

16歳で島を離れ、20歳の時にプロサーファーとなり、以降は仕事をしながら国内の競技大会を転戦する生活を送っていました。

(木村空さん)
「元々、ゆくゆくは島に帰ってきたいなと思ってたところで、人がいなくなってきたタイミングに今しかないのかなと思って」

かつては漁業で栄えた出羽島。

伝統的な漁村集落を今に残す町並みは、2017年に国から「重要伝統的建造物群保存地区」に選ばれています。

しかし、近年は人口減少が加速し、今ではその多くが空き家となっています。

(木村空さん)
「さみしいですよね」
「活気がないというか人気がないけん、ほんま、各家々でみんなおばちゃんらがちょっとずつ集まって喋ってみたいな」

■空き家を宿泊施設に活用

そんな思いもあり、空さんは島に活気を取り戻そうと、空き家の活用に乗り出します。

旧青木邸。

築96年の民家で、10年程前から空き家となっています。

(木村空さん)
「来年春に観光用の宿泊施設としてオープン予定にしています」
「ちらっと見るくらいは大丈夫です。電気もないのでちょっと暗いのですけど」
「雰囲気のある建物で、今月から着工予定なのですが、中はまだ全然触ってないです」

■2つの会社を設立

空さんは、出羽島にかつての賑わいをと、夫らと共に2025年2月、2つの会社を立ち上げました。

会社では「出羽島の古民家の再生」と「島に残る伝統や文化を次世代に繋ぐこと」の2本の柱で、島の立て直しを図ります。

(木村空さん)
「ありのままの静かな出羽島というか、昭和が残ってるじゃないですか」
「結構そういう雰囲気が独特やと思うので、ゆっくり味わってもらえたらなと思います」

出羽島の再生にかける空さんの想いを、地元牟岐町の出身・夫の悠さんも背中をおします。

伝統や文化を次の世代に繋いでいくことが、島の再生には欠かせないと考える2人は、島の豊かな自然や伝統文化に親しむことができる体験型企画の充実も目指します。

(木村悠さん)
「これね、あひるぶねっていうんです。出羽島で昔の子供たちが遊んでた子供用の遊び道具ですね」
「木船とか艪で漕ぐというのは、多分日本全国どこでもあるのですけど」
「子どもの専用の遊び道具の船は、他の場所にはないのじゃないかなと思って」
「これを作って浮かべることができたら、出羽島だけの独特の文化を使った体験に発展するんじゃないかなと思って」

島に残る島民でさえも知る人が少なくなった伝統や文化を引き継いでいくことは、簡単なことではありません。

しかし、それこそが出羽島を守るためには大切なことだと2人は話します

(木村悠さん)
「やっぱり空が思う、自分が生まれ育った島をどうにかしていきたいという思いを」
「それが大元の会社を建てるための、出羽島で活動していく中での一番最初のきっかけやもんね」
「その思いがあったので、空が思うことは僕の目標なんかなと」

■島に暮らす人は「家族」

島の活気を取り戻したいと動き始めた空さんたち、若者の姿を島で暮らす人々は頼もしく感じています。

(記者)
「島の人はお母さんみたいなもんですか?」

(木村空さん)
「ほうやなぁ、みんなお母さんやな。お母さん、お父さんいっぱいやな」

(島の人)
「ほんまにきてもらわんかったら、後に続く人がおらんから重宝する、空ちゃんは」

(島の人)
「この子らが来たんで活気があるというか、町にパッと花が咲いたみたいな」

(木村空さん)
「うれしいね」

空さんは、出羽島を「自分の大切な場所」と言い、だからこそ、そこに暮らす人たちは自分にとって家族だと話します。

■島の生活を守りつつ再生

(木村空さん)
「やっぱり人を呼び込まんことには、島もこのまま廃れていくのも嫌やし、島の雰囲気とかそういうものを残しつつ」
「島の人目線に立って島の生活を守りながら、観光もうまくバランスを取ってできていったらいいなと思っています」

人口30人余りの「出羽島」島の生活を守りながらも、かつてのような活気のある島を取り戻すための空さん夫婦の挑戦は始まったばかりです。