Amazon も中古市場を後押し? 高級リセールがホリデーシーズンに大盛り上がり

記事のポイント
ホリデーで中古ギフト需要が拡大し高級リセール市場の取引が急増している。
ベゼルやレクレイムがAmazon連携や在庫拡大で販売チャネルを強化している。
消費者が中古品に抵抗を持たなくなり高級中古品の購買行動が大きく変化している。
消費者が入手困難なアイテムをもっともお得に買う方法を探すなか、このホリデーシーズン、高級リセールの世界は大きな盛り上がりを見せている。
しかし2025年のサイバーマンデーは、同社史上最高の日となり、注文数と新規顧客数の点で2024年の3倍に達したという。
「我々はブラックフライデーから大きな増加を確認し、その勢いはホリデー期間中ずっと続く。そして年明けのボーナスシーズンにも再び伸びる傾向がある」とウォーカー氏は述べる。
中古ギフト需要の急増と購買行動の変化
高級リセールプラットフォームにとって、「高級アイテムをよりよい価格で入手できる」という組み合わせは、ホリデーギフト市場において非常に強力な価値提案となる。
しかし、特に2025年は、デジタルリセールプラットフォームの普及により、中古品を贈ることへの抵抗が大きく薄れた年でもある。
さらに、長引くインフレに消費者が疲弊し、節約志向が強まっていることも追い風となっている。中古を買うことで、欲しいものリストの上位アイテムを手頃な価格で入手できるからである。
全米小売業協会の年次ホリデー調査では、59%の買い物客が「誰かへのギフトとして中古品を購入することを検討する」と回答し、64%は「自分のために中古品を購入する可能性がある」と答えた。
中古ギフトのなかでもっとも人気なのは本やメディアで、それに衣類、アクセサリー、ホームデコが続く。
調査対象者の46%が「節約のため」であると答え、25%が「よりよい価値を求めているため」と答えた。一方で16%は「高級ブランドをより手頃に購入できるため」であると回答している。
高級リセール企業が進める販売チャネル拡大
こうした需要に対応し、高級マーケットプレイスやプラットフォームはこれまで以上に多くのインベントリー(在庫)を動かし、新たな販売チャネルを開拓している。
高級マーケットプレイスのレクレイム(Reklaim)は、現在Amazonのラグジュアリーストア(Luxury Stores)の腕時計ページに出店しており、100以上の実店舗パートナーを持つ。過去1年間で、ドバイの空港店舗は1店舗から4店舗へと拡大した。
ベゼルのウォーカー氏によれば、腕時計市場では価値重視の買い物客の多くが最初から中古市場に向かうという。
たとえばカルティエの時計は、小売価格より安くリセールされる傾向がある。ギフト目的の買い物客は「未使用品」を好むものの、「リテールレディ(retail-ready)」と呼ばれ、使用感が見えないよう磨き上げられた商品も人気だと同氏は述べる。
節約志向に加え、消費者は「使用感のある中古品」にも慣れてきている。少し使われているからといって検討対象から外れるわけではない。
ザ・リアルリアル(TheRealReal)が10月に発表した「2025年リセールレポート」によると、「フェアコンディション(やや使用感あり)」のアイテム販売は前年比32%増、使用感のあるバッグの販売は45%増となった。
需要に対応するために
ベゼルにとってホリデーは大きな顧客獲得期であるとウォーカー氏は語る。流入の一部はギフトガイド、別の一部は広告によるものだ。
同社はホリデー向けに割引在庫の特設セクションを設置し、出品者が大幅な損を出さずに在庫を動かせるよう調整している。さらにホリデー期にはオークション機能の利用も増えるという。
「我々はブランドを安っぽく見せることなく、ホリデー割引を提供しているように感じさせるため、さまざまな工夫をしている」と同氏は語る。
「当社は非常に高額な商品を扱っているため、『全品30%オフ』といった宣伝はできない」。
ほかのオンラインマーケットプレイスと異なり、高級時計のリセールには希少性と限定性という固有の価値がある。店頭で入手できないモデルを求める消費者は、自然と中古市場に流れることになる。
ベゼルは売上数値を公開していないが、11月中旬時点でプラットフォーム上の出品額は9億5000万ドル(約1520億円)を超えていた。Google出身のウォーカー氏は、2025年のホリデーシーズン中に10億ドル(約1600億円)突破をめざしている。
需要拡大に応えるため、ベゼルはコンシェルジュチャットサービスを提供しており、特定アイテム探しや価格比較、選択肢の絞り込みをサポートしている。
「これらの商品は非常に高価であり、多くの場合、非常に祝い事的な意味を持つ。単なるギフトではなく、人生で最大級の贈り物になることも多いのだ」と同氏は語った。
新たなタッチポイントの拡大
ホリデーシーズンはレクレイムにも大きな流入をもたらしている。
同社は2025年、多様な消費者接点を急速に拡大した。セルフリッジズやノードストロームなどの卸先と協業してきた同社は、現在100店舗以上で展開している。2024年はドバイ空港に1店舗のみだったが、2025年は4店舗まで広がっている。
レクレイムのプレジデント、ゲイリー・ショーンフェルド氏は、ホリデーに向けてオンライン、店舗ともにトラフィックと売上が加速していると語る。特に新しい小売環境で顕著だという。
「我々が扱っているのは意味のある大きな買い物であり、対面体験、知識豊富な販売員、そして『新品同様』の品質を目で確認する機会が求められている」と同氏は述べる。
オンラインでも成長は続いている。
同社は2025年4月にD2Cマーケットプレイスを立ち上げた。またAmazonのラグジュアリーストアとも初提携し、腕時計を販売している。ショーンフェルド氏によれば、両社ともホリデー前に稼働させることを望んでいたという。
「デジタルの観点では、Amazonはリーチだけでなく、消費者からの信頼と安心の点で『頂点』である」と同氏は語る。
「Amazonはラグジュアリービジネス全体を立ち上げており、中古品をそのなかの重要な柱にしたかったのだ。我々が高級時計の主要リソースとして選ばれたことをうれしく思っている」。
レクレイムはAmazon経由の購入商品についても認証と物流を担当する。しかしショーンフェルド氏は、Amazonと組むこと自体が、中古高級品が主流化している大きな証拠であると述べる。
購入傾向として、多くの消費者がコンシェルジュサービスを利用して特定アイテムを探している。在庫にない場合、通常4〜6週間で調達される。小売パートナーはレクレイムの調達ポータルを利用し、店舗に在庫がなくても販売できる。
ショーンフェルド氏は、高級リセール市場の進化を中古車市場になぞらえる。
「かつては独立したカテゴリで抵抗感もあったが、今では新車ディーラーでも中古提案が当たり前になっている」と同氏は語る。
「中古品やプレオウンドに対する人々の態度は変化したのである」。
[原文:Luxury resale is angling to be the big winner of this year’s secondhand gift boom]
Melissa Daniels(翻訳、編集:藏西隆介)
