藤枝とのゲームを1−1で引き分けた千葉。4位で残り2戦に臨む。(C)SOCCER DIGEST

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[J2第36節]千葉 1−1 藤枝/11月9日/フクダ電子アリーナ

「勝たなければいけないゲームだったと思います」

 小林慶行監督の第一声が、千葉にとっての藤枝戦を物語っていた。

 シーズンも残り3戦のタイミングで迎えたホームでのゲーム。3位の千葉は、自動昇格圏の2位以内へ(3〜6位は残り1枠を懸けてプレーオフに進出)首位の水戸、2位の長崎を追う立場なだけに勝点3が欲しいゲームであった。

 しかし、残留争いに巻き込まれている藤枝はこの日、「我々のクラブフィロソフィーとしましては攻撃的に、エンターテインメントサッカーをしましょうというのはあります。その選手たちがこれほどまでに愚直に守備に徹することは、プライドがないのか、ブレているのではないかと言われかねない。ただ、それすらもしっかり自分たちに矢印を向けて、そんなのどうでも良いと。状況は変わるんだと。今の状況を考えてひとつの戦い方に固執して落ちてしまったら何も残らない、やりたいことがやれない。そのまま終わってしまう。じゃあ今は我慢する時だよねと今日は統一意識、プレー統一というところをテーマに掲げ、やってくれたと思います」とJ2残留のために苦渋の決断をした須藤大輔監督の下で5−4−1のブロックを作って対応した。

 予想外の藤枝の戦い方に驚いたという千葉は、開始7分にデザインされたセットプレーで先制を許す展開を強いられる。15分にはFW石川大地のPK弾で同点に追いついたが、最後まで粘った藤枝の守備網を崩し切れず、勝ち越し点を奪うことはできなかった。

 相手の3倍以上のパス数(555本[成功率78.9パーセント])対163 本[成功率49.1パーセント])、3倍のシュート数(21本と7本)を記録し、ポゼッション率(66パーセント対34パーセント)でも上回り、サイドを起点にチャンスを作り出し、奪われれば即時奪還へインテンシティ高く相手の自由を奪う。千葉は90分を通じてほぼ主導権を握り、「やれることはやった」という小林監督の言葉にも頷ける。

 一方で小林監督はこうも続けた。

「やれることはやったということに尽きますが、果たしてもっと確率を高められる方法はなかったか、そういう部分は振り返らないといけない。選手たちがやるべきことをやってくれて結果を掴めなければ、責任の所在はどこにあるかという話でしかない。

 ただゴールが生まれる瞬間はアタッキングサードで相手をどれだけ打ち破っていけたか、そういう部分になるといつも選手とは共有しているので、そこは成長を含めてこだわってほしい」

 ゴールは取れない時は取れないもので、特効薬は見つけにくい。だからこそ、ひとつのプレーの精度、意識を高めるしかないと右SBの高橋壱晟も振り返る。

「(試合終盤に焦りも出たのは)多少なりとも他の試合の結果も気になるし、(前日に)長崎が勝っていたのもありました。長崎、水戸がこのまま勝ち続けたら、(自動昇格の)可能性がなくなっちゃうので、(勝つために終盤は)多少ラフにでも入れていこうという部分もありました。

 時間はどんどん経過していくので、ジレンマはありました。だからこそ、ひとつのプレーを毎回精度高くやれなくちゃいけない。そこれこそ機械のように」

 また、そうした精度の重要性を踏まえたうえで、キャプテンマークを巻くCB鈴木大輔は独自の見解を語った。

「こういうことを言うとあれですが、最後は気持ちだとも思います。気持ちの強い選手のもとにボールは転がってきますし、練習から気持ちを出してやるとか、試合で気迫を出してやるとか、まず準備からやることをやって、気持ちを出して試合に臨みたいです」
 
 今節、首位の水戸を破った大宮に得失点差で抜かれた千葉は4位に後退。5位の徳島、6位の仙台にも勝点2差で迫られる一方、首位の水戸とは勝点4差、2位の長崎とは勝点3差と悲願のJ1復帰へまだチャンスは残っている。