「さすがに3桁はマズいよな…」1日5食で体重が40→150キロになった女性 限界突破して気づいた「意外な需要」
150キロのぽっちゃり体型を生かしてモデルやWEB広告で活躍するツベルクリン反応さん。中学時代から拒食と過食を繰り返し、気づけば40キロだった体重は3桁に。でもその体型を生かして活動したところ、意外な気づきがあったそうで──。
【写真】「あごが全然違う!」赤髪美人な体重50キロ当時のツベさん(全15枚)
ギャル時代は食べることが嫌で仕方なかった
── 150キロの体重をいかし、モデルやWEB広告、写真撮影会などを中心に活躍しているインフルエンサーのツベルクリン反応さん(以下、ツベさん)。中学時代から拒食と過食を繰り返して、いまの体重に落ち着いたと聞いています。子どものころは少し複雑な環境で育ったそうですね。
ツベさん:私が生まれたときに実の父親はいませんでした。母が妊娠中に、ほかの女性と家を出てしまったんです。私が3歳のときに2番目の父が家にきましたが、私は物心つく前だったので、父が家にいることが当たり前だと思っていたんです。
でも、私とひと回り以上年上の兄と姉は新しい父をすぐに受け入れられなかったみたいですね。とくに父と兄の折り合いが悪くて、毎日のようにケンカをしていました。その光景に恐怖で泣き出すこともあれば、ショックでその場に倒れてしまったこともあります。
また、兄はここ最近になって重度の発達障害があることがわかりました。発達障害がどう影響しているかわかりませんが、当時から兄は人の気持ちが想像しづらいようでした。そのため、兄は父だけではなく祖母ともよくもめていて、決して穏やかな家族環境ではなかったです。
両親はもともと銀座のクラブを経営していましたが、新たに店を作ろうとしたときに融資先に逃げられてしまって、億単位の借金を抱えることに。当時家族で住んでいた家を売り、どんどん安い家賃の家に引っ越しをしました。私もその都度、学校を転校していました。
── 安心できる環境ではないようですが、学校生活はいかがでしたか?
ツベさん:私が小学3年生のときに転校した学校で、たまたま仲良くなった友達が素行の悪い人たちだったんです。そのころ、私の両親は小料理屋をやっていたので、夜は家にいなくて。溜まり場として遊びにきていたのですが、そうした様子が学校にも何らかの形で伝わりました。
私自身はみんなと一緒にいただけでしたが、ほかの保護者たちは「あの私が転校してきてから子どもたちが悪くなった!」と諸悪の根源は私だと学校に訴えて、私を追い出すようにみんなで言ってきたんです。担任の先生はかばってくれましたが結局、学校にはいれなくなって、全寮制の学校に入りました。
── かなり激しい展開です…。中学もそのまま全寮制の学校で過ごしたんですか?
ツベさん:中学から地元の中学に入りましたが、ヤンチャというか、あまり真面目な学生ではなかったですね。中学では仲の良い子が1人だけいて、彼女といつも一緒に行動していましたが、ふたりで渋谷に行ってナンパをされるのを待つとか。見た目が派手だったので、たぶん中学生に見えなかったんだと思います。
ただ、当時は楽しいと思って遊んでいたつもりですが、今思えば、家庭環境のこともあったし、心の寂しさを埋めるためにやっていたような気がします。
── 当時はギャルに憧れていた時期もあったそうですね。
ツベさん:周りでギャルが流行っていて、「私もギャルみたいにかわいくなりたい!」って思いました。あのころのギャルってすごく細くて華奢なんですよ。ギャルになろうと頑張ってやせようと思いましたが、正しいダイエットの方法も知らないから「ただ、食べない」という無茶なことをしていました。
中学2年生のころは身長が160cmでしたが体重は40キロ前半でガリガリ。母が心配して「朝ごはんだけは食べなさい!」と言っていましたが、母に言われなければ食べなかったし、学校の給食の時間は保健室で過ごし、夜ご飯代としてもらったお金は遊び代に消えていました。食べることが嫌で仕方なかったし、たぶん拒食症だったと思います。
でも、高校生になるとなぜか急に食べるようになったんです。今度は過食気味になって、ピークは68キロまでいきましたが、卒業するころには50キロに落ち着きました。
父の死で精神的に追い込まれ体重がさらに増減
── 高校卒業後は社会人になったそうですが、どんな仕事をしていましたか?
ツベさん:昼間に事務の仕事をいくつかやってみましたが、基本的にはキャバクラで働いていました。体重が50キロを超えると「男性に夢を与える場所だから、やせないと指名が来なくなるぞ」と店のマネージャーから注意されるので、常に50キロをキープ。キャバクラの仕事は18歳から25歳までやっていましたが結構、楽しかったんですよ。
お客さんは「かわいい」と言ってチヤホヤしてくれるし、人と話すことがもともと好きだったので、ああいう華やかな場は自分に向いていたのかなって思います。あと、お金もよかったですし。
25歳で当時交際していた彼と結婚が決まりました。彼は「俺が稼ぐから家にいて欲しい」という考え方の人だったので、結婚を機に仕事を辞めました。ちょうどそのころ、父が病気を患って、余命が短いと宣告されたんです。父の件で心労があったのと、店を辞めて体重をキープする理由もなくなったので、また食べるようになってしまって。結婚が決まってから実際に籍を入れるまで数か月時間がありましたが、結婚を決めたときは50キロでしたが、実際に籍を入れたときは60キロでした。
── 結婚して専業主婦になったそうですが、当時の生活はいかがでしたか?
ツベさん:結婚して早々に父が亡くなりましたが、私以上に母のショックが大きかったので、葬儀の準備から事務手続きまでを私がすべて担いました。また、父の死によって母と兄とも同居することになって、新婚から間もなく夫、私、母、兄の4人で暮らすことになったんです。夫とは結婚して楽しい時間も過ごしましたが、考え方にすれ違いが徐々に生じてきて、結婚10年で離婚することになりました。
結婚している10年は、父が亡くなったストレスや疲労で39キロまで減ったこともあるし、過食で80キロまで増えた時期もあります。40キロ前後のときはメンタルも病んでいたので精神科を受診していました。ほとんど寝たきりで過ごして、トイレに行くこともできなかったのでオムツをしていたんです。母がオムツの交換をしてくれましたが、本当に申し訳なかったなと思います。
── かなり精神的にもツラそうです。
ツベさん:あのころは今思い出してもキツかったですね。ただ、結婚生活の後半あたりから体調が戻ってきて、人生の転機になるようなこともあったんですよ。
結婚後はときどきバイトをするくらいで、基本的に専業主婦として過ごしました。でも、結婚する前はバンドを組んでライブで演奏するくらいアクティブな性格だったし、もともと外に出て人に会うことが好きだったんです。このままずっと家にいるのもどうなのかな、と思って夫に相談して、また働くことになりました。
ただ、いきなり社会復帰は厳しいだろうと思って、まずはSNSで何かできないかと思い、当時好きだった地雷系のファッションを紹介する動画をいろいろ投稿してみたんです。投稿を続けていると、好きだったブランドのアンバサダーの仕事に繋がりました。ワンシーズンという短い期間でしたが、アンバサダーを務めることができて、すごくうれしかったし、今まで経験したことがないキラキラした世界に足を踏み入れてワクワクしました。このアンバサダーをきっかけに次の仕事にも繋がるようになりました。
でも、体重は離婚のストレスもあってどんどん食べてしまって、気づいたら100キロを超えていたんです。
100キロ超えでグラビア挑戦「意外な需要が」
── 離婚して80キロから100キロになるまでどんな食生活でしたか?
ツベさん:離婚後は1日5食くらい食べていて、朝昼晩に加えて昼から夜の間にお菓子を大量に食べていました。晩御飯の後もコンビニに行って、おにぎりやパン、パスタ、お菓子など大量に買い込み、大きなビニール袋が2つくらい、たぶん4、5人で食べる量を毎日1人で食べていたんです。
お腹が空いて食べたいわけじゃなくて、何か口にしないとイライラしちゃって、心の状態を保てなかったんだと思います。かわいい服がどんどん入らなくなってきて、100キロを超えるまでは「さすがに3桁はマズいよな…」と思ったけど、100キロ超えたら何とも思わなくなりました。
ただ、SNSでの発信は続けていたので、どうせなら自分のぽっちゃりをいかそうかなって思ったんですよね。
── 自分の持ち味を生かそうと。
ツベさん:はい。SNSの投稿を見て男性のファンの方がついてくださったし、女性からも「その洋服や化粧品、どこで買ってるんですか?」って聞かれることが増えていて、自分に興味を持ってもらえたような気がしたんですね。
あと、自分と同じようなぽっちゃり体型の方がSNSで活躍している姿を見て、自分でももっといけるんじゃないかって思ったんです。もともと、細い体型の方のグラビアを見るのが好きで、グラビアモデルのイベントで写真撮影会に参加したり、写真集を買ったりして、写真集というものにも憧れがありました。
ちょうどそのころ、ぽっちゃり体型のインフルエンサーのお仕事の延長として、グラビア撮影の機会を得たんです。最初は恥ずかしいし、自分でいいのかなって躊躇していたんですが。でも勇気を持って挑戦してみたら、「三段バラになっているのがかわいい」「二の腕のたるみが魅力的」といった体型への意見もありましたね。
── 写真集即売会やファンイベントにも出られたとか。
ツベさん:はい。なるほどな、と思ったのは、ファンの方から「経済が不安定なときほどぽっちゃり好きが増える」と言われたんです。ふくよかな体型の人を見ると安心するし、大きくて柔らかそうな見た目から、包み込んでくれそうな包容力を感じるんだと。また、たとえばキャタクターにも丸みがあるデザインがたくさんありますが、赤ちゃんのようにフワッとした自然な丸みをイメージさせることでかわいらしく見えるようなんですね。もしかしたら、ぽっちゃりさんに関しても言えることなのかな、と思っています。
また、以前は何か食べていないと心の状態を保てなかった時期もあるんですけど、今はこうした経験を経て、過食も落ち着いたと思います。自分が考えもしなかったところに需要があることを知って、「かわいい」の基準はひとつではないと学びました。
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体重150キロのインフルエンサーとして活躍を続けるツベさん。しかし、150キロの体重ゆえに、ファミレスでは椅子と机の間に挟まってしまうなど、日常生活で困ることも多いと言います。それでも、やせていたころと比べて、今の自分はさらに好きになったと言いきるツベさん。体型を活かし、自分のやりたいことを実現しながら、周囲にも評価してもらえる日々は、充実感に満たされているそうです。
取材・文/松永怜 写真提供/ツベルクリン反応

