【スズキ・ビジョンeスカイ】2026年度内の量産化を目指す軽乗用EVコンセプト!開発担当者に聞くその想い #JMS2025
軽自動車ユーザーがそのまま乗れるEV
ジャパンモビリティショー 2025でワールドプレミアされた、スズキの軽乗用EVコンセプト『ビジョンeスカイ(Vision e-Sky)』。会場で、企画担当者である箕輪多香子氏、エクステリアデザインを担当した松浦漠氏、インテリアデザインを担当した佐々和希氏、そしてCMFを担当した鈴木千尋氏にお話を伺った。
【画像】2026年度内の量産化を目指す軽乗用EVコンセプト!スズキ・ビジョンeスカイ 全31枚
これが次期『ワゴンR』になるのでは? と多くのメディアは推測しているが、今回は『量産化を目指す軽乗用EVコンセプト』としての『ビジョンeスカイ』というクルマについて、という前提で語ってくれた。

BEVソリューション本部BEV商品企画部軽・A企画課主任の箕輪多香子氏と『スズキ・ビジョンeスカイ』。 山田真人
まずは企画を担当した箕輪氏から。前述のように2026年度内の量産化を目指すコンセプトモデルであって、現段階ではエンジン車は考えていないとのこと。そして、いま普通に軽自動車に乗っている人が「自分とは関係ないな」と思うようなクルマにはしたくなかったという。それゆえEVなので先進感は必要だが、今までのクルマと離れたクルマにはしなかった。
ジャンル的にはリアドアもスイング式を採用したハイトワゴンだが、床下にバッテリーを積んだEVゆえ、少し車高は高めになる。そこでボディには抑揚をつけて、スズキらしさを出している。
『スズキらしさ』とは、ハスラーやラパンに見られるキャラクター性を出すこと。他メーカーではヘッドランプなどデザインを統一しているものもあるが、スズキは個々のクルマでキャラクターを表現することを重視している。そうした他のスズキ車のように愛着を持ってもらえる、ユニークなクルマでありたいという。
市販モデルはこのまま出せるわけではないが、なるべくキープして出したいという。スズキらしい、安心して使いたいクルマを目指して、内装もエンジン車から変えすぎないように、先進的なイメージながらも物理的スイッチを残したり、シフトも普通のセレクターにするなど、軽自動車に乗っているユーザーが気負わずに乗れるような、ちょうどいいクルマを目指している。
スズキならではの親しみやすさや愛着
次に、エクステリアデザイン担当の松浦氏。市販化が前提のモデルながら、制約のある軽自動車のサイズ内で抑揚をつけたデザインにしたのは、冷たい印象になりがちなEVに、スズキのクルマらしいキャラクターを与えたかったからだという。
高めのボンネットにショルダーラインをおさえて凹凸を付けるなどで平面に見せず、また前後を絞り込んでフェンダーを張らせるといった工夫をしている。

左から商品企画本部四輪デザイン課先行デザイン課の佐々和希氏、鈴木千尋氏、松浦漠氏。 山田真人
目指したのは、スズキならではの親しみやすさや愛着はEVになっても変わらないというデザイン。EVをイメージしたグリルのピクセル風ランプなどはコンセプトモデルならではだが、コの字のシグネチャーランプなどは市販車でも採用を目指しているという。
続いて、インテリアデザイン担当の佐々氏。2026年度内の量産化を目指しているため、コンセプトモデル的な奇をてらったものではない、ほぼそのまま市販化されてもおかしくないインテリアとした。
とはいえ、注目したいのはトレイ状のインパネ上面。メーターまわりはEVらしい先進的なディスプレイとしながら、スズキらしいユニークさと使いやすさを考えて、トレイとメーターを違和感なく融合させたデザインにしている。これにより、インパネまわりに広がり感も与えている。
シートやラゲッジルームの使い勝手などはこれからの問題だが、普通の軽ハイトワゴンとは変わらないという。シートは立体感のあるものだが日常でも使いやすく乗り降りしやすいものとしている。
冷たい雰囲気になりがちなEVに軽やかさも
最後にCMF(カラー:色、マテリアル:素材、フィニッシュ:仕上げ)担当の鈴木氏。まずボディカラーは、光の当たり方で赤っぽさや緑っぽさも見せるブルーが独特。そのまま市販化は難しいかもしれないが、軽EVには相性が良さそうな色だ。
ルーフは2トーンのホワイトだが、車両全体で軽やかさを見せるべくセミマットカラーを採用し、ハイライト部は緑っぽく光る。Dピラー部にはグラデーションを採用したのも軽やかさの表現で、ルーフが浮揚しているような印象を与えている。

スズキ・ビジョンeスカイ 山田真人
内装色は、ブラック系はガソリン車のイメージが強いため、ボディカラーに併せてブルー系とホワイト系でまとめている。その中にドットやグラフィックスなどの楽しげな要素を入れて、EVに感じられがちな冷たい雰囲気ではない、スズキらしいユニークさを見せている。
また、EVなので『地球に優しく』を意識して、リサイクル素材のバンパーやPETリサイクル材の内装なども採用している。
量産化を前提にしているとはいえ、コンセプトモデルとしての展示車だから、実際にはどこまで市販モデルに採用されるかはわからない。だが、なるべくこのままで量産化して欲しい。ビジョンeスカイは、彼らのそんな思いを感じさせるクルマだった。
