(※写真はイメージです/PIXTA)

写真拡大

寒い季節が到来し、「どこの温泉に行こう?」と考える方が増えています。そこで今回は、インターネットでの月間検索数に基づき「今、日本人が最も注目している温泉地」をランキング。人気温泉地「箱根」がまさかの圏外となるなか、1位に輝いた名湯は?

寒い季節、温泉が恋しくなる

日本が誇る観光資源の代名詞とも言える温泉。日本人にとって温泉は、単なるレジャーに留まらず、生活文化の一部として深く根付く観光資源です。

観光庁のデータでも、国内宿泊旅行において温泉地を目的に選ぶ割合は常にトップクラスに位置しており、その巨大な市場と根強い人気が裏付けられています。私たちは、古来より湯に浸かる習慣を持ち、温泉を「特別な日常」として愛してきました。

さらに現在、この日本の温泉文化は、訪日外国人旅行者からも非常に高い関心を集めています。観光庁のデータからも、温泉入浴は「今回の旅行でしたこと」の上位に位置するだけでなく、「次回したいこと」ではさらに上位にランクインすることが示されており、温泉が「日本独自の重要な体験」として認識され、インバウンド誘致における核となるコンテンツとなっているのです。

さて、温泉ですが、インターネットでの検索数をみてみても、年末年始の休みがある1月をピークとして、やはり寒くなる時期に多くなります。

「今度の休日、どこの温泉に行こうかな」

これからは、そんな期待感でネットサーフィンを楽しむ人も多くなる季節です。そこで月間検索数に基づき、インターネットユーザーの注目度が高い温泉地をランキング。果たして、いま、多くの人から注目を集める温泉地はどこでしょうか。

最も熱い視線を集める「人気温泉地」トップ10

それでは、検索数に基づく人気温泉地ランキング。まずは3位からみていきましょう(関連記事:『【ランキング】日本人が「本当に注目する」人気温泉地TOP10〜2025年・秋』)。

3位:北海道の奥座敷「定山渓温泉」(98,667件)

第3位にランクインしたのは、北海道の札幌市内に位置する定山渓温泉。月間検索数は98,667件を記録しました。札幌の中心部から車で約1時間というアクセスの良さから「札幌の奥座敷」とも呼ばれ、地元の人々はもちろん、北海道観光の拠点としても高い人気を誇っています。

定山渓温泉は、1866年に僧侶の定山によって開かれた歴史ある温泉地です。周囲を豊かな自然に囲まれ、特に秋の紅葉シーズンは、渓谷沿いが鮮やかに彩られ、絶景となります。温泉街には、定山渓の父とも呼ばれる「定山和尚」の像が立ち、温泉の歴史と文化を感じさせます。

人気の理由として、まず挙げられるのがその泉質の良さです。ナトリウム塩化物泉は体が温まりやすく、「傷の湯」としても知られています。

また、温泉街の周辺には、豊平川の清流や、定山渓ダムといった見どころも多く、自然散策やアクティビティを楽しめる点も多様なニーズを持つ旅行者から注目を集めている要因です。

旅行予約サイトのランキングでは、「定山渓ビューホテル」のような大規模なスパリゾートが注目を集める一方で、「定山渓第一寶亭留 翠山亭」や「定山渓鶴雅リゾートスパ 森の謌」といった上質なサービスや自然との調和を重視したリゾートホテルも人気です。家族連れからカップル、団体旅行まで、幅広い旅行層のニーズに応える宿泊の選択肢が揃っていることが人気の理由のようです。

2位:源泉数・湧出量で日本一を誇る「別府温泉」(146,667件)

第2位は、大分県の別府温泉。月間検索数は146,667件に上ります。

別府温泉は、源泉数および湧出量の両方で日本一を誇り、「別府八湯」と呼ばれるように、市内各地に泉質の異なるバラエティ豊かな温泉が点在しているのが最大の特徴です。

別府の湯量の多さは圧倒的で、街の至る所から立ち上る湯けむりは、別府のシンボルであり、情緒あふれる風景を作り出し、環境省の「かおり風景100選」にも選定されています。

別府観光の目玉といえば、何といっても「地獄めぐり」です。これは、高温の噴気や熱泥が噴き出す、人間が入浴できない特殊な源泉を巡るもので、コバルトブルーの「海地獄」や、真っ赤な「血の池地獄」など、地球のエネルギーを間近に感じられる非日常的な体験が人気です。

宿泊施設では「杉乃井ホテル」に代表されるような、大規模で多様な設備を持つリゾート型ホテルが高い人気を誇ります。これらの施設は、温泉だけでなく、大型プールやアミューズメント要素も兼ね備えており、ファミリー層や友人グループから支持を得ています。また、「亀の井ホテル 別府」や「大江戸温泉物語 別府清風」といった、手軽な価格帯で温泉を楽しめる施設も人気を集めています。

1位:温泉好きが憧れる名湯「草津温泉」(600,000件)

栄えある第1位は、群馬県の草津温泉。月間検索数は、2位を大きく引き離す600,000件という圧倒的な数字を記録し、断トツの1位となりました。

草津温泉といえば、まず思い浮かぶのが温泉街の中心にある「湯畑」です。毎分4,000リットルもの温泉が湧き出る源泉で、この湯畑から流れ出る湯は、街中の旅館や共同浴場へと配湯されています。昼夜問わず湯けむりを上げ、硫黄の香りが漂う湯畑の景観は、草津の象徴であり、多くの人を魅了し続けています。

草津の湯は、日本有数の酸性度の高い泉質で、殺菌力が非常に強く、古くから「恋の病以外は何でも治す」と言い伝えられてきました。この強力な泉質は、温泉愛好家にとって憧れの的です。

また、熱い源泉を冷ますための伝統的な入浴法である「湯もみと踊り」も、草津温泉の代名詞です。湯もみは、熱い湯を水で薄めることなく、板を使ってかき混ぜて温度を下げる伝統的な方法で、観光客向けのショーとしても人気があり、草津の文化として深く根付いています。

宿泊施設の傾向を見ると、湯畑の目の前に位置する老舗の「ホテル一井」や、伝統的な雰囲気を守る「草津温泉 望雲」といった温泉街の中心を担う旅館が根強い人気です。

また近年は「湯宿 季の庭」や「お宿 木の葉」に代表される貸切風呂や充実したサービスが特徴の施設の支持も高まっています。圧倒的なブランド力に加え、伝統的な老舗から、現代的なニーズに応える高品質なリゾートまで、多種多様な宿泊の選択肢が、旅行者を強く惹きつけている要因のようです。

ランキングの背景にある傾向

今回のランキングをみていくと、上位は「圧倒的な泉質の良さ」や「特徴的な景観・文化」を持つ温泉地が検索数を集める傾向が見られます。一方で、2位の別府や3位の定山渓のように、周辺観光との連携やアクセスが良い温泉地も高い人気です。

驚きだったのは、大規模観光地の箱根温泉が圏外である点です。これは、箱根が温泉以外の芦ノ湖や美術館といった複合的な観光資源を持つため、「温泉」単体ではなく「箱根観光」として検索キーワードが分散すること、また、圧倒的な認知度から「知っている場所」として具体的な予約情報検索が主となり、本質的な魅力を深掘りする検索ニーズが相対的に低いことに起因すると分析できます。

今回の調査結果は、ユーザーの「純粋な関心度」を反映しており、「定番すぎて検索の必要がない」場所よりも、「独自の魅力」を情報収集したいという意図が強く現れているといえるのかもしれません。