JRT四国放送

写真拡大 (全26枚)

県が漁業の新たな担い手を育成しようと開いている「とくしま漁業アカデミー」には2025年4月に、開校以来最も多い15人が入学しました。

その中にただ一人、女性の研修生がいます。

漁業は全くの未経験だった彼女は、どうして漁師を志したのでしょうか。

■「漁業アカデミー9期生」唯一の女性

(とくしま漁業アカデミー第9期生・高木千尋さん)
「やったー!」

釣り上げた魚を満面の笑みで見せてくれた、こちらの女性。

鳴門市出身で、とくしま漁業アカデミーの第9期生の高木千尋さん 26歳です。

2025年4月に入学した高木さんは、アカデミー開校以来3人目、第9期生では唯一の女性研修生です。

(とくしま漁業アカデミー第9期生・高木千尋さん(入学時))
「徳島県1番の女性漁師になりたいです」

入学の時点では、漁師としての知識や技術を全く持っていなかったという高木さん。

なぜかというと…。

■もともとは歌手志望

(スターへの道・高木千尋さん(当時・中学2年))
「私の夢は、みんなに感動を与えられるような歌手になることです」

実は高木さん、元々は歌手を目指していて、過去にはスターへの道にも出場していました。

中学を卒業後、東京の高校に進学した高木さん。

オーディションに挑戦しましたが夢は叶わず、4年前に徳島に戻りました。

そんな中、2年前ワカメの養殖を行う親戚の元での手伝いをきっかけに、漁師を志しました。

■漁師に転身のきっかけは?

(とくしま漁業アカデミー第9期生・高木千尋さん)
「港に帰って来てから獲ったワカメをすぐ釜で茹でるんですけど、茹でた時に(ワカメが)一瞬で緑になる」
「それが面白くて『楽しい』って何回も流しちゃって」
「自分と今まで接点がなかったところが、惹かれたきっかけ」

■親方のもとで修業の日々

入学して半年間、座学と実習で専門知識や技術を学びました。

(とくしま漁業アカデミー第9期生・高木千尋さん)
「おはようございます」

現在は、親戚でもある親方の三ツ石達生さんのところで、日々漁業について学んでいます。

午前5時半。

この日は、一般のお客さんを乗せて釣りをするため船を出します。

(とくしま漁業アカデミー第9期生・高木千尋さん)
「朝弱い方なので、目をこすりながらって感じ」

2025年6月に、船の免許を取得したばかりの高木さん。

親方が見守る中、ポイントまで船の操縦を担います。

(親方・三ツ石達生さん)
「もうちょっと左か?、そうやな」
「船がこう(横に)なっていったら、こう(縦に)立て直さなあかん」
「乗客がビビっとうぞ。ちー(高木さん)が舵持ってたらいけるんかって」

真剣なまなざしと不安そうな表情が入り混じる高木さん。

複雑で速い潮の流れが特徴の鳴門海峡での、船の操縦は簡単ではありません。

(親方・三ツ石達生さん)
「ここらは流れが速いけんな、あの流れの後ろをついて行くような感じ」
「うお、おー」
「ほれ、乗客がビビっとう」

(とくしま漁業アカデミー第9期生・高木千尋さん)
「(船の)免許も取り立てで初心者マークって感じ、ここに(初心者マークを)いっぱい貼っておきたいくらい」
「(鳴門海峡は)潮の流れがいきなり早くなるので全然違う。ここ通る時はめっちゃ怖い」

■釣りに挑戦

釣りの経験も少ない高木さん。

ポイント到着後、親方の計らいで乗客と一緒に釣りに挑戦することに。

(親方・三ツ石達生さん)
「底ついたら3回ぐらい回す」
「あ!外れた。あかん」

(とくしま漁業アカデミー第9期生・高木千尋さん)
「重い気がする」

(親方・三ツ石達生さん)
「魚釣りしたみたい」

(とくしま漁業アカデミー第9期生・高木千尋さん)
「イエーイ!」

全く未経験で、飛び込んだ漁師の世界。

そんな高木さんについて、親方の三ツ石さんは…。

(親方・三ツ石達生さん)
「たまたま漁業やってみよかって言うけん、やる気はすごい」
「親方以上の技術を習得してやろうと思ったら、自分で進化していかなあかん、自分自身でな」
「1年通じていろんな漁業やってみて、いろんな漁業の遊びみたいなのもやってみて、それでやっと一人前」

■「徳島で一番有名に」

漁業アカデミー卒業まで残り半年。

高木さんの目標は、入学時から変わっていません。

(とくしま漁業アカデミー第9期生・高木千尋さん)
「何もかもが吸収だと思っているので、今はスポンジの縮こまった状態だと自分で思っている」
「指摘してもらったことは全部素直に受け入れ、て自分の身に早くたたき込めるように努力したい」
「徳島で一番有名な女性漁師になりたい」

雨にも風にも荒波にも負けず、高木さんは自身の目標に向かって、これからも進んでいきます。