フルオーダーのオリジナルキッチンを新居に実現。やってよかった3つのこと
憧れのフルオーダーのオリジナルキッチン。自由度が高いだけに、予算の調整に注意が必要なうえ、将来のメンテナンスにも考慮する必要があります。理想のオーダーキッチンを実現したというライターが、自身がこだわった素材や設備選びについて語ります。

食卓と連動できる?型のアイランドキッチンを採用

筆者は、2024年8月に工務店で、延床面積29坪の2階建ての家を建てました。この家で妻と1歳になる息子の3人で暮らしています。小さな家ですが、こだわって造作のオリジナルキッチンを採用しました。
既製のシステムキッチンにも機能とデザインにすぐれたものがたくさんあります。しかし、せっかく家づくりの機会を得られたのです。イチから造作でわが家ならではの理想のキッチンをフルオーダーでつくりたいと考えました。
そうしたオーダーキッチンの造作に実績のある工務店に頼めたというのは、ラッキーでした。こちらからの要望に対して、適切なアドバイスや提案をしてくれましたし、私たちのイメージをうまくプランに落とし込んでもらえました。既製のキッチンのみ扱っている住宅会社だとこういう対応は難しかったかもしれません。
筆者がまず重視したのは、家族の食事をつくる場として、ストレスなく作業できる機能性があること。それと同時に、LDKの一角として違和感のないデザイン性も持たせたいと思いました。
最初に決めたのはキッチンのレイアウトです。キッチンの場合、壁に向かってシンクとコンロを並べたI型、シンクとコンロを向かい合わせに配した?型(「デュエスタイル」ともいいます)、またダイニングに向けてシンクとコンロを並べた対面式などが主流です。
わが家では?型のアイランドキッチンとしました。
アイランド部分のリビング側にも収納を設け、普段使いの食器などをおさめています。配膳も食後の後片付けも、キッチンと食卓の間で手を伸ばすだけでOK。ダイニングとの連動を意識した配置プランです。
ポイント1:「絶対ゆずれないこと」を決める

キッチンのレイアウトについての打ち合わせは、家全体の間取りを決める、基本設計の段階でおこないました。LDKのありかたにも大きく影響するので、夫婦とも納得のいくまで設計担当者とじっくり話し合っています。
キッチンの部材や設備などの詳細は、間取りがほぼ決まったあとの打ち合わせで、ひとつひとつ検討していきました。
キッチンを構成するおもな設備機器としては、シンク、コンロ、水栓、食洗機などが挙げられます。それぞれ、「これは」と目をつけたメーカーのカタログを取り寄せて、スペックなどをじっくり確認しながら決定。カタログやインターネットでもかなりの情報は得られるものですね。結果的に後悔することのない選択ができました。
キッチン設備選択のポイントは「絶対ゆずれないこと」を決めること。価値基準の軸を定めておくと、迷ったときに立ち戻ることができますし、判断がぶれにくくなります。
わが家の場合は、「木の質感を生かす」「リビング・ダイニングと一体感を持たせる」「使い勝手重視」という3点を大事にしました。
もちろん時間と余裕があれば、ショールームで実物を確認することをおすすめします。実物の色みや質感などが自分の目で確かめられますし、ショールームスタッフとの会話でも参考になる情報を仕入れることができるはずです。
ポイント2:予算をかけるところはかける。不要な部分は徹底的に削減する

「高価」というイメージのあるオリジナルキッチン。確かに素材や設備をなにも考えずに選んでいけばコスト増の要因になってしまいます。
素材ひとつとっても、木材やステンレス天板は比較的手に入りやすいものですが、高級感のある石素材は重く割れやすいため、造作では扱いにくく、コストが跳ね上がる懸念があります。食洗機やコンロ、水栓も高機能のものを選べば、たちまち予算オーバーになることも。
とはいえ、自分の生活スタイルに合った選択をすれば、メーカー製より安く仕上げることも可能です。わが家の場合は、キャビネット本体や扉の面材は統一して集成材に。引き出しの面材は下端に指をかけられるように加工してもらい、取っ手を省きました。また、少しでもコスト削減するため、キャビネットの一部は扉の要らない収納棚に。
このようなことを工務店の設計者ともよく話し合い、コストダウンに成功!
シンプルなデザインでありながらも、キッチンパネルの代わりにタイルを貼ってアクセントをつけました。安っぽさはなく、とても気に入っています。
キッチンは仕様によって価格が大きく異なるので、既製のシステムキッチンを採用した場合との工事費の比較は難しいところです。ちなみに、リフォームの話ではありますが、LIXILのサイトでは、キッチンの費用の価格分布は「100~300万円未満が最多」とのことでした。
わが家の場合は、食洗機を除き100万円程度でまとめることができましたので、造作のオリジナルキッチンでもコストを抑えられたほうではないかなと納得しています。
予算をかけるところはかける。不要な部分は徹底的に削減する。既製のシステムキッチンでは不可能な、そんなメリハリのつけ方によって、リーズナブルな価格でオリジナルキッチンを造作することが可能になります。
ポイント3:先々のお手入れや修理・交換を考慮することも忘れずに

オリジナルキッチンにチャレンジしてみて、気がついたことが2つあります。ひとつは「最適解を求めすぎない」こと。
たとえば、収納計画では、使用中の調味料やボトルのサイズを調べ、出し入れのしやすさを考慮しました。ぴったりと収納できてとても気持ちがいいのですが、今、使っている調味料が将来、廃版になったら意味がなくなるかもしれませんよね。
10年、20年と住み続けていく住まいであれば、先々のことも想定して、ある程度、どうにでも調整できるような余裕を持たせた設計にしておいたほうがよいと感じます。
たとえば、棚板の高さを変えられるように設置金具を複数取りつけておいたり、引き出しの内部は細かく造作せずにあとから自分で仕切れるようにしておいたりといった具合。
もうひとつは、「オリジナリティを追求しすぎない」ということ。
「世界でひとつの自分だけのキッチン」ということにこだわりすぎてしまうと、メンテナンスが難しくなってしまいます。海外のマイナーなメーカーの設備を入れると、日本の代理店がなくて直接、海外の修理窓口に依頼しないといけなかったり、デザインにこだわりすぎるあまり特殊な塗料を調合しないといけなかったり。
キッチンは毎日使う場所なので、折に触れてメンテナンスする必要があります。機器の交換・修理も念頭に置いて仕様を選びたいものですね。
大切なのは、自分に必要な機能を見極めること。それを前提にしてメンテナンスやコストなども踏まえて、実現すること。経験豊富な設計担当者とじっくり話し合ってプランニングすれば、きっと自慢のオリジナルキッチンが実現できるはずです。
