ソフトバンクを破り、喜ぶDeNAの選手たち=小宮健撮影

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 DeNAが1998年以来の日本一に王手をかけた。

 リーグ3位から日本シリーズを制覇した例は、「史上最大の下克上」と呼ばれた2010年のロッテしかない。

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 この2チームには共通点が多い。

 ともにレギュラーシーズンのチーム打率はリーグ1位。一方でチーム防御率は同5位だった。

 それが、ポストシーズンに入ると「別のチーム」に変貌した。

 10年のロッテは、中日との日本シリーズで救援陣が粘りを見せた。計41回で防御率2・41。ロングリリーフもこなした内竜也は4試合に投げ、計8回で無失点だった。

 いまのDeNAも森原康平、伊勢大夢、中川颯らの救援陣が抜群に安定している。クライマックスシリーズ(CS)第1ステージ(S)から、計48回で防御率1・31を誇る。

 その要因について、CS第1S途中から先発マスクを被り続ける捕手の戸柱恭孝は「第1Sからどんどん投げないといけない状況だった」ことを挙げる。

 阪神との第1S初戦ではエース東克樹が左太もも裏の違和感のため、4回無失点で緊急降板。救援陣5人でカバーした。その後も早めの継投で勝ちを拾ってきた。

 「(中継ぎが)抑えて試合に勝ったことで、自信になっているんじゃないか。みんないい顔して投げている」と戸柱は話す。

 日本シリーズ3試合で無失点の5年目左腕・坂本裕哉も「シーズン中は中継ぎがウィークポイントって言われていた。CSから跳ね返そうと、ブルペン陣が集中力を持っている」。

 チームの弱みが消え、戦力充実のソフトバンクと互角以上に渡り合っている。

 長いペナントレースとはまた違う、短期決戦の面白さだろう。(清水優志)