ポイントは“私そのもの”で生きること

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【理屈を超えたモチベーションの正体・3】「外部要因によって瞬間的に高まっても長続きしないエネルギーではなく、自らの内側から永続的に湧き続けるエネルギーは、どうすれば開発できるのか」。そのようなお話をさせていただいています。その結論は「“私そのもの”で生きること」でした。“私そのもの”に近づくためには「一つ一つを自分の意思で100%決める」という生き方を日々、続けること、というお話を前回はさせていただきました。この連続で一日を過ごしますと、私達は非常にスッキリした感覚になれます。それはまさしく「自分自身を取り戻した」感覚そのものです。しかし、「言うは易し行うは難し」です。具体的には何から始めれば良いでしょうか。それを今回は書かせていただきます。

●ファーストステップ



 “私そのもの”になる、自分自身を取り戻した状態になる、そのためのファーストステップは、「合言葉を見つける」です。この「合言葉とは、スッと自分を我に返させてくれる言葉です。

 合言葉として最も効果的なのは、「自分自身が本来望んでいる生き方・在り方」です。「私は本当は(本来は)どのような生き方・在り方をしたいのだろうか?」という問いの答えを、できるだけシンプルに表現し、それを合言葉とするのです。

 これは100人いれば100通りの答えがあります。何が正解か、どんな答えが素晴らしいか、などの一般的な評価は一切必要ありません。

「本当に」自分が望んでいる生き方、「本当の」自分が望んでいる生き方です。そして、この言葉によって自分を鼓舞するわけでもありません。自分をやる気にさせる言葉でもありません。自分が「我に返る」言葉です。「あぁそうだったな。私は本来、こんな生き方を望んでいるんだったな」と、少し肩の力が抜けるような、そしてシュッと心が真っ直ぐ「もとに戻れる」ような、そんな言葉です。

 そしてこれが最も重要ですが、その言葉をつぶやくことで「身体の全細胞が喜ぶような」感覚になれるとさらに最高です。このような「自分を取り戻してくれる言葉」は、実は誰もが持っています。気づいていない人は多いですが、しっかりと探せば、誰もが見つけることができます。

 まずは思いつく言葉をたくさん書き出してみて、その中で最もしっくりくるものを一つ選び、それを心の中でつぶやき続けてみてください。いくつか試す中で「これが今の私には最高だな」と思えるものを選びます。納得いくまで続ければ、必ず合言葉は見つかります。

●感覚を取り戻した上で



 ただし、ここまではあくまでもファーストステップです。次に必要なのは、この合言葉を1日のできるだけ多くの時間、心の中でつぶやくことです。つぶやけばつぶやくほど「本来の自分を思い出している時間」が長くなります。それにより「本来の自分の感覚」が甦ってきます。本来の自分の感覚に戻ることができれば、その状態で次の自分の行動を自分の意思で丁寧に「決める」のです。ここが最も重要です。

 本来の自分の感覚を取り戻している時は、「100%決める」ことが容易になります。一つの答えを決め、他の答えを完全に意識的に手放すのです。

 「合言葉→本来の自分の感覚→100%決める」を繰り返すわけです。可能であれば、1日24時間、眠っている時間以外はこれを丁寧に繰り返せば、“私そのもの”として生きることができるようになります。

●直観力も高まる



 最初、慣れないうちは100%決めるのに時間がかかってしまったり、自分の行動がぎこちなくなったりするかもしれません。面倒だな、と思う人もいるでしょう。「一つ一つ丁寧に決めようとすると、考え過ぎて疲れちゃうし、瞬時の判断をしなければならない時に困るよ」と言われる人もいるかもしれません。

 ただ、これを丁寧に続けていれば、「直観力」が劇的に高まります。「合言葉→本来の自分の感覚→100%決める」を丁寧に繰り返すことは、思考を超えた数々のひらめきや気づきをもたらしてくれます。それは、外部からの刺激に踊らされて反射的反応的に発想されていた答えとは根本的に異なるものです。

 自分自身の本当に深いところから浮上してくる「自分が望む本当の答え」、それが直観です。この直観に素直に生きることで、ますます“私そのもの”として生きることができます。そうなれた時に、私達はいついかなる時も、自分の内側からエネルギーが湧き続けていることを自覚できるようになります。(ITSUDATSU・黒澤伶)