山寺宏一がアダム・ドライバー吹き替え、『フェラーリ』本編映像が公開
声優の山寺宏一が、映画『フェラーリ』Blu-ray&DVDで日本語吹替を務めていることがわかった。山寺はアダム・ドライバーが演じたエンツォ・フェラーリ役に一味異なる渋みを加えている。
山寺からコメントも届けられている。
エンツォ・フェラーリについて、恥ずかしながら「あのフェラーリを創設した自動車業界の偉人」くらいの知識しかありませんでした。今作を観て演じて、衝撃的な事実の数々に驚愕!映画は彼の人生のたった数ヶ月だけを描いているにも関わらず、レースにかける狂気とも言える情熱と、もつれた私生活の両方が浮き彫りにされていてスゴいと思いました。エンツォの吹き替えは正直とても難しかったです。 彼や車に関し知識の無かった僕は、当初この作品から受ける印象や、アダム・ドライバーの演技を読み取る事で、それに寄り添う演技をすれば良いと思っていました。彼の異常性は理解しつつも、実在の人物を描く映画なんだから観る人から「変な人」「嫌な人」「共感出来ない」と思われないようにとも。序盤に亡き息子の墓に語りかけるシーンで特に「実は良い人」というイメージを持ってしまったんだと思います。しかし音響演出の清水洋史さんから役作りについて指摘を受け、自分が違う方向を向いていた事に気づきました。 清水さんはそもそも車好きでフェラーリについても詳しく、今作を演出するにあたりエンツォの自伝を始め様々な文献をチェックしたそうです。清水さんと話し合い、レーサー達、妻や愛人とその息子への接し方の違いを模索しながら演じました。このような経験は声優にとって凄く大切で、反省も含めこれからの仕事に生かそうと心に決めました。エンツォの持つ多面性が吹き替え版からも感じて頂けたら幸いです。以前からその演技力を注目していたアダム・ドライバーの吹き替えを初めて経験出来たのも嬉しかったです。 当時59歳のエンツォを敢えて40歳の彼が演じるというのは、その演技力が圧倒的である証だと思います。今回の吹き替えを各方面から認めて頂き「アダム・ドライバーと言えば山寺宏一」と言われるようになったら最高です!
ちなみに印象に残ったセリフは「この世界で優れているものは、必ず見た目も美しい」です。所有した事はもちろん、乗った事も無いフェラーリですが、借りている駐車場の向かいにいつも止めてあるので「確かに美しい」と感じる次第です(笑)
実際の本編映像も公開された。
フェラーリは1957年夏を舞台に、イタリアの自動車メーカー、フェラーリの創始者エンツォ・フェラーリ(アダム・ドライバー)の激動を描く。業績不振で会社経営は危機に瀕し、1年前の息子ディーノの死により妻ラウラ(ペネロペ・クルス)との夫婦関係は破綻。その一方で、愛するパートナー、リナ・ラルディ(シャイリーン・ウッドリー)との間に生まれた息子ピエロを法的に認知することは叶わない。再起を誓ったエンツォは、イタリア全土1000マイルを走るロードレース“ミッレミリア”にすべてを賭けて挑む。監督は名匠マイケル・マン。
『フェラーリ』は2024年12月20日、Blu-rayとDVDが発売。レンタルDVD同日リリース。