指名あいさつを終えて笑顔を見せる日本ハムのドラフト6位・山城(左から2人目)と(左から)大渕スカウト部長、(1人おいて)法大の大島監督、高橋スカウト(カメラ・堀内 啓太)

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 日本ハムからドラフト6位指名された法大・山城航太郎投手(22)が10月31日、球友への対抗心を燃やし、新人王&守護神を目標に掲げた。神奈川・川崎市内の同校で大渕スカウト部長、担当の高橋スカウトから指名あいさつを受けた。最速154キロ右腕は、福岡大大濠高時代にオリックス・山下舜平大投手(22)と同級生。同じリーグでの対決を心待ちし「舜平大も新人王を取ったので」と決意表明した。

 迷いはなかった。マウンド同様、山城が闘志むき出しで目標を口にした。「舜平大も新人王を取ったので自分も取りたいです」。183センチ、84キロの体から繰り出すMAX154キロの直球とピンチこそ燃え上がる気持ちの強さが魅力の即戦力右腕。栗山CBOの直筆で「共に天下を」と記されたドラフト会議のパスを握り締め「最終的には9回を任される投手に」と次期守護神候補に名乗りを上げた。

 最速161キロを誇るオリックス・山下は高校の同級生。軟式野球部だった中学時代から何度も対決し、U15福岡選抜では共闘。自身が主将だった福岡大大濠では若き日の剛腕とキャッチボールのペアで「冬も2人でトレーニングルームに行ったり切磋琢磨(せっさたくま)して本当に高め合える仲だった」。指名後には球友から「おめでとう。エスコンめっちゃいいやん」と祝福メッセージをもらい「やっと同じスタートラインに立てた」と胸を張った。

 本格的に投手を始めたのは高2秋から。プロ志望届を提出しなかった4年前は、山下が1位指名される瞬間を別室から見届けた。「鮮明に覚えている。その時に、4年後同じ舞台に行きたいと思った」。法大でのリーグ戦デビューは3年秋、初勝利も4年秋と大器晩成型だが「舜平大が先にプロに行って活躍する姿にすごく刺激をもらった」と入学時130キロ台だった直球は154キロに。ラストイヤーに潜在能力が開花しドラフト候補へと急浮上した。

 勝ちパターン入りを狙う男は中継ぎ“適性”も十分。普段は「誰もいないとこでつまずいたり…」と天然?な一面もあるが「得点圏にランナーを置くと目つきが変わる」。鋭く切れる縦スラとフォークも武器で、大渕スカウト部長も「(大学)最後に右肩上がりの雰囲気が見えてきたのでプロに入っても成長が見込めるなと。満塁で登板して抑えたり、後ろで燃えるタイプ」と太鼓判を押す。目標の新人王へは1年目からのフル回転が不可欠。遅咲きの剛腕が、ドラフト6位から一気に成り上がる。

(堀内 啓太)

 ◆山城 航太郎(やましろ・こうたろう)2002年9月3日、福岡生まれ。22歳。西高宮小では西高宮リトルメッツに所属し、高宮中では軟式野球部でU―15福岡選抜。福岡大大濠高では主将を務め、投打二刀流で高校通算21本塁打。法大3年秋にリーグ戦デビュー。好きな選手は高校の同級生であるオリックス・山下。183センチ、84キロ。右投右打。遠投100メートル。好きな芸能人はモデルの那須ほほみ。

 法大・大島公一監督(近鉄、オリックス、楽天で活躍。山城の指名あいさつに同席)「これからが大事。ファイターズの勝利に貢献できる投手になっていってほしい」