ブルペンで阿部監督から熱血指導を受ける西舘(カメラ・池内 雅彦)

写真拡大

 巨人の西舘勇陽投手(22)が阿部監督の直接指導に応え、先発ローテ入りを狙う。31日の秋季練習でブルペン入り。指揮官から10分以上、マンツーマンで投球フォームの熱血指導を受けた。「体全体の使い方を教えてもらった」と、体重移動や踏み出す左足の使い方などについての助言を意識しながら67球。「自分の感覚とすり合わせて自分のものにしていければ」と教えを生かしてレベルアップすることを誓った。

 1年目の今季は主に救援で28登板して1勝3敗1セーブ20ホールド、防御率3・82。序盤はセットアッパーを担い、夏場からは先発に挑戦した。今季15勝を挙げた菅野がメジャー挑戦の意向で、先発の穴埋めが急務の課題となるだけに西舘への期待は大きい。阿部監督は「(来季は)先発で1年間やってもらいたいというのは、こちらの願い。菅野の穴をどう埋めるか。こちらは考えるのが楽しい」と先発ローテの一角を担うことを求めた。今秋にプエルトリコのウィンターリーグ(WL)に参加予定の右腕も「ウィンターでは先発をやる。そこで流れを学んで、キャンプで発揮できるように」と、先発で勝負するために準備を進める意気込みを示した。

 武者修行を飛躍の足がかりとする。プエルトリコのWLはメジャーリーガーやメジャー予備軍も参戦するハイレベルな環境。競争を勝ち抜かなければ出場機会すら得られない。「先発としての自分のルーチンをつくりたい。ボールやマウンドの硬さの違いにも適応できるようにしたい」。過酷な戦いの中で、明確なテーマを持って腕を磨く。

 異国での挑戦となれば心身ともにタフさが求められる。阿部監督は「いろいろな選手がいるから一緒にできるのはプラス。自分のことも全部自分でやらないといけないし、自立という意味でもいい勉強になる」と成長を願った。11月4日に出発して12月24日に帰国予定のサバイバル。「楽しみにして頑張っていきたい」。西舘が進化を遂げ、リーグ連覇の原動力になる。(宮内 孝太)

 ◆G阿部監督と西舘

 ▽慎フォーク 宮崎キャンプ中の2月6日、ブルペンでフォークのコツをアドバイス。抜けが目立っていたが、「左打者の方に引っかけてもいいから強く投げてみろ」と声をかけると、鋭く落ちるように。

 ▽中大バッテリー 台北ドームでの練習中だった3月1日に、中大の先輩後輩による初のキャッチボールが実現。「プロの球を見てきた方からアドバイスをいただきました。球の狙う位置や球の回転ですね」と“阿部捕手”から金言を授かった。

 ◆プエルトリコ・ウィンターリーグ ドミニカ共和国、ベネズエラ、メキシコとともに4大ウィンターリーグに数えられ、メジャーリーガーも参加するレベルの高いリーグ。今季レギュラーシーズンは11月7日から来年1月4日の日程で開催する。巨人では16年に岡本和、高木勇、平良が参加。西舘の所属球団はカングレヘーロス・デ・サントゥルセとなっている。