NY時間に入ってドル円は152円台での推移となっている。この日は日銀決定会合の結果が発表され、大方の予想通りに政策は据え置きとなった。植田総裁がどのようなガイダンスを示唆してくるか注目されていたが、「金融政策の見極めに必要な時間や利上げのタイミングに予断を持っていない」と述べていた。

 植田総裁の「政策判断に時間的余裕がある」との言及に市場は注目していたが、総裁は、8月以降の弱い米雇用統計などを背景に市場が急変し、日本経済への重要なリスクと判断したことからその表現を使ったと説明。ただ、足元は米経済のリスク度合いは少しずつ下がってきているとし、同様の表現は不要になるのではないかと考え、今日も使っていないと語っていた。

 本日は展望レポートも公表されていたが、25年度の消費者物価(生鮮食品を除くコアCPI)の見通しを、前回の2.1%から1.9%に下方修正したた。ただ、26年度まで2%程度で推移するとの従来の想定から大きな変化はなかった。一方、リスクバランスは、前回の「上振れリスクの方が大きい」との表現を24年度はなくす一方、25年度は維持した。

 全体的にハト派な印象もあったが、市場が期待していたほどでもなく、日銀はオープンの姿勢を示唆している。円相場は円高の反応を示し、ドル円も一時151円台まで下落。来週の米大統領選などのイベントリスクに、為替市場はこれまでドル高の反応を強めていたが、ここに来て、それに向けた調整も一段落してきており、今週に入ってドル高は一服している。そのような雰囲気の中での日銀決定会合を受けて、ドル円は売られやすかったものかもしれない。

 なお、日本時間23時のNYカットでのオプションの期日到来は152円に観測されている。

31日(木)
152.00 (13.7億ドル)

USD/JPY 152.58 EUR/JPY 166.13
GBP/JPY 198.23 AUD/JPY 100.22

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美