大谷翔平 移籍1年目で悲願の世界一「最高の終わり方ができて、最高の1年だった」
ドジャースの大谷翔平投手(30)がメジャー7年目でついに悲願の世界一に輝いた。30日(日本時間31日)に敵地ニューヨークでのヤンキースとのワールドシリーズ(WS)第5戦に「1番・DH」で先発出場し、4打数無安打だったが、チームは5点差をはね返して7―6で逆転勝ち。2020年以来、4年ぶり8回目の頂点に立った。MVPは第1戦で逆転サヨナラ満塁弾を放ち、チームに勢いを付けたフリーマンが受賞。20打数6安打、打率3割、4本塁打、12打点の素晴らしい成績だった。
花巻東時代から夢見ていた瞬間がついに訪れた。最後の打者バードゥーゴのバットがビューラーのナックルカーブに空を切ったのを見届けるとベンチからマウンドへ笑顔で左腕を振って突進した。歓喜の輪に加わると全身で喜びを表した。
試合後のインタビューで「いや、もう本当にただただうれしい。新しいチームに来て最高の終わり方ができて、最高の1年だったと思います」と思いを明かした。
3勝1敗で迎えた第5戦の相手先発はエース右腕のコールだ。初回先頭は初球、外角低めの95・6マイル(約154キロ)のフォーシームをフルスイングするも平凡な中飛だった。ベッツが一ゴロ、フリーマンは左飛で三者凡退だった。
直後、一死一塁でジャッジがポストシーズン3本目、WS初アーチの先制2ランを右中間に叩き込み、4番チザムも右中間にソロで続き、3点を先制された。
4ー0の3回二死一塁は2球で追い込まれると3球目、外角低めの90・4マイル(約145・5キロ)の明らかなボール球のチェンジアップを当てただけの左飛だった。
4回まで無安打で2四球のみだったが、0―5の5回に猛反撃。先頭E・ヘルナンデスが右前に初安打を放つとジャッジとボルピの連続失策で無死満塁。ラックスが空振り三振に倒れた一死満塁で3打席目が回ってきた。カウント1―2からの4球目、真ん中低めの87・3マイル(約140キロ)のナックルカーブに空振り三振。嫌なムードだったが、ベッツが一塁へ適時内野安打で1点を返すとフリーマンが中前に2点適時打、T・ヘルナンデスが中越え2点適時打で5―5の同点に追いついた。
スタントンの中犠飛で6―5と勝ち越された7回先頭はカウント1―1から外角低めの83・3マイル(約134キロ)のナックルカーブをバットの先で拾って弾き返すも遊ゴロだった。対コールはWSで7打数無安打と完敗だった。
ラックスの中犠飛で6―6に追い付いた8回一死一、三塁は3番手の守護神ウィーバーと対戦。初球、外角低めのチェンジアップを空振りするもバットが捕手のミットに当たって打撃妨害で出塁するとベッツが中堅に勝ち越し犠飛を放ち、ついにリードを奪った。
初のWSは19打数2安打、打率1割5厘で、本塁打、打点ともゼロ。第2戦に左肩を亜脱臼した影響もあり、期待に応えることはできなかったが、打線にいるだけでヤンキースに圧力をかけた。
地区優勝した9月26日のパドレス戦後のシャンパンファイトで「まだまだ、何回もできるので頑張りたい」と話したが、地区シリーズ、ナ・リーグ優勝決定シリーズ、最後にWSとコンプリートした。投手復帰が見込まれる来季は二刀流でWS連覇を果たす。