突如現れた”規格外練習生”「なんだ、この2人は?」 中村憲剛が衝撃、強烈すぎた自己主張
元日本代表MF中村憲剛氏が元北朝鮮代表FW鄭大世氏とのエピソードを語った
元日本代表MF中村憲剛氏と元北朝鮮代表FW鄭大世氏が、スポーツチャンネル「DAZN」の「内田篤人のFOOTBALL TIME」に出演した。
元日本代表DF内田篤人氏が女子日本代表のコーチを務めて不在のなかで、軽快なトークを披露した。
2006年から2010年まで川崎フロンターレでコンビを組んでいた両選手だが、2人の出会いは2005年に鄭大世氏が練習生として川崎の練習に来た時だったという。「めちゃくちゃインパクトがあって。なんでかというと、フッキと2トップを組んでいたんです」と、中村氏はのちにブラジル代表にも入るFWフッキと鄭大世氏が、練習生ながら2トップを組んでいたことを明かした。
「フッキはまだ10代で、テセ(鄭大世)はまだ大学生。普通、10代の外国籍選手と大学生の練習生なんて、そんなに爪痕残せないんですよ。それが、すごかった。どっちも自己主張が。もうすごすぎて、お互いにボールを持ったら打つっていう。『なんだ、この2人は?』ってなった」と中村氏が振り返ると、鄭大世氏は「その試合で僕は4点取りました。前半にハットトリックして」と、忘れられない試合を振り返った。中村氏は「そんな学生いないですよ。今、大学生で来た練習生がハットトリックしたら、即、取ります」と、いかに鄭大世氏のインパクトが強烈だったかを振り返った。
中村氏は「その時はまだ内面を知らないので、ふてぶてしいし、こういう(肩で風を切るような)感じだし。これは楽しみだなと。のちのちのこの2人の足跡を見ればそういう選手だから、それはそういう選手でしたから、すごかったんだなと思いますけど、当時はまだ若かったので。そのインパクトがあっての2006年(の加入)でした」と、のちに国を代表する選手となる2人の練習生の衝撃を語った。
一方、鄭大世氏は中村憲剛という稀代の名パサーと、プロで最初のクラブでプレーすることができたことに感謝する。「振り返ると、全部周りのおかげだなと思います。川崎時代のあの活躍があったのは、自分の実力も数パーセントはあるかもしれないけれど、川崎フロンターレに入ったこと自体が自分のなかの大きなポイント。あの時に憲剛さんみたいな、FWを絶対的に生かせる存在がいたから、僕みたいなとんがりっこをコントロールできていた。ほかのチームに行っていたら『なんだあいつ』となっていた可能性のほうが高い。川崎時代にこういう人(中村)がいてくれたおかげで、自分の活躍があったし、そのおかげでW杯にも出られた」と、語った。
そして鄭大世氏は、「逆にあまりにも最初にいい人材に出会えすぎて、そのあとに憲剛さんを超えるパサーとは出会っていないです。それで僕は憲剛さんという幻影を追い求めながら、現役を終えましたからね」と言い、「最初のチームで憲剛さんに会ったから、どこのチームに行ってもこういう人はいるんだと思っていました。どこに行っても中村憲剛級のパサーがいると思ったら、どこにもいなかった」と言い、最初のプロクラブでの日常が、特別だったことをのちに思い知らされたと話している。(FOOTBALL ZONE編集部)