北朝鮮、高角度でICBM発射=過去最長86分飛行―米大統領選前に挑発か
【ソウル時事】韓国軍によると、北朝鮮は31日午前7時10分(日本時間同)ごろ、平壌一帯から日本海に弾道ミサイル1発を発射した。
大陸間弾道ミサイル(ICBM)を高角度の「ロフテッド軌道」で撃ったとみられ、約1000キロ飛行した。日本の防衛省によると、飛行時間は約86分、最高高度は7000キロを超え、共に過去最高。
ミサイルは午前8時37分ごろ、北海道・奥尻島西方約200キロの日本海の排他的経済水域(EEZ)外に落下したとみられる。これまでの最長飛行時間は、2023年7月に発射したICBMの74分だった。
朝鮮中央通信によると、北朝鮮国防省報道官は、31日朝にICBMを発射したと発表。発射に立ち会った金正恩朝鮮労働党総書記は、米国などを念頭に「核戦力強化の路線は絶対に変えることはない」と強調した。
林芳正官房長官は記者会見で「わが国、地域および国際社会の平和と安全を脅かすものであり、断じて容認できない」と非難。政府は外交ルートを通じ北朝鮮に抗議した。船舶や航空機への被害は確認されていないという。
米国家安全保障会議(NSC)のサベット報道官は声明で、ICBM発射を国連安保理決議違反だと強く非難した。その上で「緊張を高め、地域を不安定化させる恐れがある」と指摘。米本土や日韓の安全確保に向け、「あらゆる必要な措置を講じる」と強調した。