ヤンキースファン「守備妨害」が波紋、前代未聞の暴挙 地元メディアは擁護「熱意がファンの心つかんだ」
大リーグのワールドシリーズ第4戦が2024年10月30日(日本時間)、ヤンキー・スタジアムで行われ、ニューヨーク・ヤンキースファンの「守備妨害」が波紋を広げている。
試合はヤンキースがロサンゼルス・ドジャースを11−4で破り、シリーズ初白星。対戦成績を1勝3敗とした。
「これは永久追放レベルのひどい行為」
問題のシーンは初回のヤンキースの攻撃で起こった。
先頭・グレイバー・トーレス内野手(27)の打球はライトのファウルゾーンへ。これをライトの守備入ったムーキー・ベッツ外野手(32)が、フェンス際でジャンプしてキャッチした。
ところが、最前列にいたファン2人がベッツのグラブと右腕をつかみ、グラブからボールを奪った。ボールはフェンスの内側に戻され、グランドを転々としたが、審判はベッツの捕球を認めアウトを宣告した。
複数の米メディアによると、ベッツの守備を妨害した2人は、関係者によって強制退場させられたという。
インターネット上で、「守備妨害」の動画が拡散されると、Xではドジャースファンから怒りの声が上がった。
Xでは「これはひどい行動だ」「本当に衝撃的」「ベッツの手首をつかんで無理やりボールを取ろうとするなんて狂気の沙汰」「ヤンキースファンにはうんざりだ」「この2人は危険すぎる。退場させろ」「これは永久追放レベルのひどい行為」などのコメントが寄せられた。
「自分の手をつかまれたことさえ気づかなかった」
一方、地元ニューヨークメディア「ニューヨーク・ポスト」(ウェブ版)は、2人のファンの行動を「好意的」に報じた。
ベッツの守備を妨害したことについて、「その熱意で少なくとも他のヤンキースファンの心をつかんだ」と指摘。
そして、スタジアムでこの2人が強制退場させられたシーンを目撃したというファンのコメントを紹介。記事によると、取材に応じたファンは「ヤンキースを救おうとしてくれた彼は私のヒーローだ。これはワールドシリーズなんだから」と語ったという。
米メディアによると、守備妨害を受けたベッツは試合後、淡々とプレーを振り返り「自分の手をつかまれたことさえ気づかなかった。全く問題ない」と語ったという。
注目のワールドシリーズ第5戦は31日にドジャー・スタジアムで行われ、ヤンキースはゲリット・コール(34)、ドジャースはジャック・フラーティ(29)が先発のマウンドに上がる。