29日、ホワイトハウス前の広場で演説するハリス米副大統領(EPA時事)

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 【ワシントン時事】米民主党のハリス副大統領(60)は29日、ホワイトハウス前の広場で演説し、「米国は独裁者になりたい人物のためにあるのではない」と共和党のトランプ前大統領(78)を強く批判した。

 大統領選を1週間後に控え、「新世代が率いる時だ。皆さん一人一人に次の章を書く力がある」と声をからし、自身への支持を訴えた。

 「彼(トランプ氏)は4年前ここに立ち、国民の意思を覆すために暴徒を議会へ向かわせた」。ハリス氏はこう切り出し、2021年1月に同じ場所で集会を開き、支持者に連邦議会襲撃を扇動したトランプ氏の「脅威」を強調した。

 さらにトランプ氏が対立勢力を「内なる敵」と呼び、軍隊を差し向ける考えを示していると指摘。「復讐(ふくしゅう)に固執し、野放しの権力を求めている」と非難した。ハリス氏は「私に投票しなかった人の声にも耳を傾ける」と約束し、政策実現に当たって超党派の合意を重視するとした。

 各種世論調査によると、ハリス氏とトランプ氏の支持率は拮抗(きっこう)している。ハリス氏は選挙戦の締めくくりと位置付けた演説で、投票先を決めていない無党派層などにアピールした。