着物のアップサイクルブランド「ルリエ エイトワン」をインフラ会社が買収

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着物や帯のアップサイクルに取り組む「ルリエ エイトワン(Relier81)」が、11月1日付で小田原市を拠点に生活静脈インフラの管理維持をメイン事業とする小田原衛生グループのゼロワンに事業譲渡する。譲渡額は非公開。なお、ルリエ エイトワンの代表である田尻大智氏は、今後もブランドファウンダー・事業推進責任者として引き続きブランドの運営を行っていく。

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 ルリエ エイトワンは2018年に京都で設立。着用する機会が少なくなった着物や帯を再利用したアイテムを展開し、ウィメンズシューズをメインに販売している。これまでに、「ユナイテッド トウキョウ(UNITED TOKYO)」や「バーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)」 などとコラボレーションを実施して知名度を高めた。田尻氏は、文化と経済活動を両立させ新たな価値を生み出そうとする新しい「文化起業家」30人をリスト化した2023年度の「Forbes JAPANカルチャープレナー30」に選出されている。

 今回の事業譲渡は、小田原衛生グループの持つ環境・リサイクル事業の知見を活かした経営基盤の強化と組織体制の整備によって、スモールビジネスを運営してきたルリエ エイトワンの事業成長やアップサイクルの加速、伝統工芸の職人技術を継承していく取り組みを強化していくことを目的に実施。経済成長とソーシャルグッドの両立を目指す、ファイナンシャルアドバイザーを務めた「ゴゼン(GOZEN)」によるサポートの下、M&Aが行われた。

 ゼロワンの鈴木大介代表取締役は、「小田原衛生グループの携わってきた事業とルリエ エイトワンの事業は、表向きは全く別の業種ではありますが、全人類が共通して抱えている地球規模の課題に正面から向き合うという意味では、本質的には同じだと考えています」とコメント。ルリエ エイトワンの田尻氏は「創業から6年間。個人事業としてルリエ エイトワンを運営しているなかで、ブランドとしての取り組みや商品を少しずつ評価していただけるようになったことを実感し、さらにブランドを力強く運営していきたいと思うようになりました。廃棄される着物や帯を時代を超えて繋いでいくことはもちろん、伝統工芸・技術を伝承し、日本のものづくりをより活性化できるように運営体制を整え、国内外から愛されるブランドへ成長させていきます。ルリエ エイトワンの第2章にご期待ください」とコメントしている。