「ロシア派遣北朝鮮軍が前線へ移動も」、韓国情報機関が議会に説明
Hyunsu Yim
[ソウル 29日 ロイター] - ロシアに派遣された北朝鮮軍の幹部や兵士の一部が、対ウクライナ戦争の前線に向かう可能性がある。韓国情報機関・国家情報院(NIS)の説明を受けた複数の同国議員が29日に明らかにした。時期については触れなかった。
韓国議会情報委員会の李成権委員は記者向けのブリーフィングで、NISによる分析を基に「ロシア軍は北朝鮮軍に『自陣に戻れ』、『撃て』、『発射』といったロシアの軍事用語100語程度を教えていたが、北朝鮮軍は(理解するのに)苦労していた」と指摘。NISは意思疎通問題が解決するかどうかについては判断がついていないという。
パク・スンウォン議員はNISの話として、北朝鮮がロシアから技術支援を受けて新たな軍事偵察衛星を打ち上げる準備も整えていると明らかにした。
11月5日の米大統領選挙後に北朝鮮が7回目の核実験を行う可能性を含め、NISは北朝鮮の活動を注意深く監視しているという。
また、議会情報委の公聴会に出席した複数の議員によると、北朝鮮は約4000人の労働者もロシアに今年派遣した。
議員らによると、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記の娘ジュエ氏は地位が部分的に上昇し、金氏の妹である金与正氏の指導を受けている。
正恩氏は暗殺の可能性を懸念し、周囲の警備を強化しているという。
さらに、議員らによると、北朝鮮は正恩氏のリーダーシップを強化し、同氏の祖父や父に当たる金日成氏や金正日氏とは別のアイデンティティー構築につなげるため、海外に派遣する要員に正恩氏の考え方を学ばせるなどの措置を取っている。
北朝鮮の国営メディアは今年、正恩氏の肖像画が日成氏と正日氏の隣に飾られている写真を公開。両氏に並ぶ指導者としての地位を固める狙いがあるとみられている。