自殺した小中高生1027人、2割に自殺未遂の経験…女子高生は最多36・9%
政府は29日、2024年版「自殺対策白書」を閣議決定した。
22〜23年に自殺した小中高生1027人について、自殺未遂歴を調べたところ、2割で経験があり、女子高校生は36・9%に上った。厚生労働省は「未遂段階で専門家の支援につなげることが、自殺予防に重要だ」としている。
同省によると、22〜23年の自殺者に占める未遂経験の割合は、女子高校生が最も高く、女子中学生は17・3%、男子高校生は14・7%だった。小中高生の男女とも、未遂から1年以内に自殺するケースが半数を超えていた。
自殺の原因は、女子高校生ではうつ病などの「健康問題」が39・4%と最多で、次いで学業不振や学友との不和などの「学校問題」の34・0%だった。男子は年齢が上がるにつれ、学校問題が増える傾向にあった。 小中高生の年間の自殺者数は11年以降、300人台で推移していたが、コロナ禍の20年に499人に達してから高止まりしている。23年は513人で、過去最多だった22年(514人)と同水準だった。
23年の自殺者全体(2万1837人)の原因では、「健康問題」が最多の1万2403人で、「経済・生活問題」は5181人、「家庭問題」は4708人となっている。
健康や家庭の問題が減る一方、経済・生活は前年より484人増えた。厚労省は「物価高などを背景とした生活苦が要因の可能性がある」と分析する。
政府は、悩みを抱える人に対し、「こころの健康相談統一ダイヤル」(0570・064・556)の利用を呼びかけている。