300ヤード超えの“パワーフェード”の打ち方!PGAトッププロの飛ばしのコツとは?

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すべてのプロゴルファーが目指す最高の栄誉「海外4大メジャー」を制した選手のスイングをピックアップ。

オーソドックスな動きのなかにある飛ばしの工夫や、変則的なスイングに隠された安定性のコツなど、強さの秘密を解説していく。

ウィンダム・クラーク
強度+柔軟性!体のしなりを生かした高弾性スイング

アドレス~バックスイング

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手元よりヘッドがうしろに見えるのは、腕のローテーションが入っている証(画像右)

肩や両足のラインが地面と平行になっている教科書的なアドレス。ヒザが若干深く曲がっているのは、ダウンスイングで地面を強く蹴る準備です。

ハーフウェイバック(シャフトが地面と平行)のポジションで、手元よりもヘッドが背中側へ移動していることから、腕のローテーションが入っているのがわかります。

最近の若手パワーヒッターは、クラブヘッドをクロスポジションからループさせてオンプレーンに戻す選手が多いですが、彼は早い段階でオンプレーンに乗せるタイプです。

トップ

Point
頭がボール1個ぶんくらい沈む

シャフトが腕に隠れていて、レイドオフでもなければクロスでもない、極めてニュートラルなポジションのトップ。ここでのポイントは、背中が少し弓なりに反っていること。

ダウンスイングではそこから背中を丸める、背中をしならせるように使って振り下ろすことでクラブを加速させます。筋肉の柔軟性と強さを併せもった、弾性力の高いスイングです。

ダウンスイング~インパクト

トップの直前から切り返しにかけ、頭が沈み込んでいます。この予備動作から地面を強く蹴ることで、クラブを一気にリリースできるのです。左腕が地面と平行になるタイミングで手首は90度近く曲がっていて、ここからリリースへ向かうとヘッドは最大加速を得られます。

イ ンパクトでは右ヒジが体の前から外れておらず、この写真のアングルで左腕に重なって見えるということは、インパクトの形はかなりハンドファースト。そこからインサイドに振り抜いていきます。

フォロースルー

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ヒジは肩より低く、回転が深いフェードヒッターのフィニッシュ(画像右)

フォロースルーではフェースが左斜め下を指し、これも腕のローテーションがあることを示しています。フェースを閉じるだけでなく、インパクト前からフォロースルーにかけてクラブはつねにオンプレーン。

ダウンスイングとフォロースルーのプレーンに差が無いほどインパクトでボールに加わる圧力は強まり、ここも彼の飛ばしのポイントです。フィニッシュではシャフトを担ぎきらないで止まっており、ボールつかまりすぎを防いでいます。

いかがでしたか? ウィンダム・クラークを参考に体のしなりを上手に活かしてみてください。

Wyndham Clark(ウィンダム・クラーク)
●1993年生まれ、アメリカ出身。183cm、78kg。世界ランク6位。18年にPGAツアーデビュー。優勝にはしばらく縁がなかったが、23年シーズンにウェルズファーゴチャンピオンシップで初優勝。その勢いのまま翌月の全米オープン王者に輝いた。今シーズンの平均ドライビングディスタンスは314.5ヤード。

解説=アッキー永井
●ながい・あきふみ(永井研史)/ 1987年生まれ、神奈川県出身。“アッキー”の愛称で親しまれている人気コーチ。人体解剖学や物理学の視点を取り入れたわかりやすいレッスンや解説に定評がある。

写真=田辺JJ安啓

※選手の成績やデータは9月14日現在