旭川の殺人事件被告の女と不倫関係の男性警部補らに処分 ※写真はイメージです(naka/stock.adobe.com)

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 北海道旭川市で今年4月、当時17歳の女子高校生が殺害された事件に絡み、殺人罪などで起訴された被告の女と事件前に不倫関係にあり、さらに当時未成年だった別の被告と飲酒したなどの“不祥事”に関して、道警が当時旭川中央署の30代男性警部補らを訓戒処分としていたことを受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は28日、デイリースポーツの取材に対して見解を示した。

 男性警部補の訓戒処分は9月13日付。地元メディアなどの公文書情報開示請求によって判明し、今月23日に報じられた。

 捜査関係者によると、警部補は当初、事件の捜査に加わっていたが、捜査過程で被告の女と過去に不適切な交際していた事実が判明して外されたという。被告に対する取り調べなどはしておらず、捜査に影響はなかったとしている。

 起訴状によると、4月18日夜から19日未明にかけ、女子高校生を監禁、暴行後、旭川市の渓谷「神居古潭(かむいこたん)」にある橋の欄干に座らせ、「落ちろ」「死ねや」などと脅して川に転落させ、窒息死させたという事件。無職内田梨瑚被告(事件当時21)と無職小西優花被告(同19)が殺人罪などで起訴された。小西被告は改正少年法で起訴後の実名報道が可能な「特定少年」に当たり、氏名が公表され、裁判員裁判で審理される見通し。また、男性警部補は内田被告と不倫関係にあったことが報じられている。

 小川氏は「本来は法的な懲戒処分(戒告、減給、停職、免職)が妥当だと思いますが、男性警部補は『本部長訓戒』、19歳の女性被告と飲酒したとして30代の男性巡査部長は『方面本部長訓戒』、当時の上司2人が『所属長注意』でした。背景にある事件のことを考えると軽い処分だと思います。激甘だと言わざるを得ない。いずれも内規処分で、報道機関からの公文書情報開示請求によって明かされたが、道警としては『私的な不祥事』で『公表事案には当たらない』として、道警自らの公表はせず、詳細を明らかにしていません」と解説した。

 さらに、同氏は「警部補が事件後に内田被告の取り調べはしていないとしても、交際当時は刑事課に所属していた。日常会話の中で防犯カメラの位置や見方、スマートフォン等の証拠隠滅などについて女から聞かれてアドバイスした可能性なども考えられる。また、10人以上の刑事課員が飲み会に参加して羽目を外した写真が週刊誌やSNSで出回っていて社会的な関心も高い。これ以上、ネットでデマが出回ることを防ぐためにも、そして何よりも被害者や、ご遺族のことを考慮し道警はきちんと詳細を公表すべき。このままでは不都合な事実を『隠蔽している』と思われてしまう」と指摘した。