大谷翔平はWS出場継続に黄信号? 大投手も苦労した亜脱臼の“回復プロセス”とは「自分は1年に13回も脱臼した」
塁上で険しい表情を浮かべる大谷。その痛みは想像に難くない。(C)Getty Images
現地時間10月26日、ドジャースは本拠地でヤンキースを迎え撃ってのワールドシリーズ第2戦を実施。テオスカー・ヘルナンデスなどの一発攻勢で4-2と競り勝ち、対戦成績を2勝0敗とした。
【動画】アクシデントで苦悶…大谷翔平が顔をしかめた走塁シーン
シリーズで難敵から2勝のアドバンテージを掴んだドジャース。だが、彼らを取り巻く空気はどこか重い。それもそのはずで、打線のカギとなっていた大谷翔平が走塁時に左肩を亜脱臼するアクシデントに見舞われたからだ。
いつも通りの全力プレーが予期せぬ事態を招いた。3打席凡退で迎えた7回1死走者なしでの第4打席で大谷は四球で出塁すると、2死一塁となったところで果敢に二盗を狙った。だが、ここでスライディングをした際に着いた左手がグラウンド上に引っかかるようになり、左肩を亜脱臼してしまった。
その痛みは塁上で倒れこんだままの本人の強張る表情からも見て取れる。その後、大谷は二塁に駆け付けたトレーナーに支えられるようにしてベンチ裏に下がった。
やはり気になるのは今後もワールドシリーズに出続けられるか否かだろう。
通常の亜脱臼は「痛みがなくなる」という状態までの回復に1〜2週間を要すると言われている。個人の回復具合や重症度によって異なるものの「完治」となると、数か月を必要とするケースもある。
実際、ここでの回復プロセスを怠れば、長期的な影響も出かねない。米スポーツ専門局『FOX Sports』の解説を務め、MLB通算213勝を挙げた大投手ジョン・スモルツ氏は「脱臼がどれぐらい深刻かというと、自分は1年に13回も脱臼したことがある」と語っている。
また、深刻な亜脱臼であった場合には中期的な離脱は避けられない。精密検査で判明する重症度によってその後の評価は変わるものの、21年4月に同じく左肩を亜脱臼したフェルナンド・タティスJr.(パドレス)は10日の故障者リスト入り。その後に幾度となく同箇所を脱臼しており、大谷も同様の可能性はあると言えそうだ。
試合後の会見でデーブ・ロバーツ監督は「(大谷は)筋肉に大きな影響はないし、可動域も良好だった」と説明。それでも「検査をするまで推測はできない」と強調しており、依然として楽観視はできず、精密検査を受けさせる方針であることも明かした。
第3戦は中1日でニューヨークに場所を移して行われるが、大谷の起用法はどうなるか。一両日中に実施される検査結果が注目される。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]