スポニチ

写真拡大

 若手落語家日本一決定戦「NHK新人落語大賞」の本選が26日、都内で行われ桂三実(31)が大賞を受賞した。受賞後の会見では「トリをとれるような新作を作れる落語家になりたい」と今後に期待を膨らませた。

 三実は桂文枝(81)の弟子で、2012年に入門。昨年に続き本選進出を果たした。前回の本選では金原亭馬生(77)から髪形について苦言を呈されたこともあり、この日は髪を上げて高座に臨んだ。ネタは早口言葉をふんだんに盛り込んだ新作落語「早口言葉が邪魔をする」を披露し、会場の空気をつかんだ。終演後には「13年目でやっと気づいたんですが、おでこ出した方がやりやすい。なんでみんな今まで教えてくれんかったんだと思いました」と語り、再び笑いを誘った。

 審査員を務めた桂文珍(75)らも次々と繰り出される早口言葉を称賛。早口の秘訣(ひけつ)は練習をしないことだといい「稽古では早口言葉の部分だけあまりやらない」と明かした。

 師匠文枝からは事前にアドバイスももらっていたというが、本番では一切採用しなかった。それでも最初に報告したい相手には文枝を選び「常日頃から新作で最も大事なのは作り続けることと言われている」と新作の大家である師匠の教えも報道陣に明かした。そして「上方では新作の需要があまりなく、心も折れかけたが、師匠の言葉で作り続けることができた」と感謝を口にした。