「脅され口止めされ…」被害にあった女性検事が会見 準強制性交の罪に問われた大阪地検の元トップは起訴内容認め謝罪
大阪地検の元トップが、部下への性的暴行を問われた裁判。初公判で何を語ったのでしょうか?
10月25日、141人が傍聴券を求め、大阪地裁に集まりました。多くの人が注目する裁判の被告は、検察庁の元エリートです。
大阪地検の元トップ・検事正で弁護士の北川健太郎被告(65)は、2018年9月、大阪市北区の官舎で、酒に酔って抵抗できない状態だった当時の部下の女性に対し、性的暴行を加えた準強制性交の罪に問われています。
1985年に検事となった北川被告。着実にエリートコースを歩み神戸地検や大阪地検、大阪高検で要職を歴任。「関西検察のエース」と呼ばれていました。事件があった当時は、大阪地検のトップを務めていました。
25日午後2時すぎ、刑務官に連れられて大法廷に姿を見せた北川被告。スーツ姿で眼鏡はかけていませんでした。そして…
(北川健太郎被告)「公訴事実を認め、争うことはいたしません。被害者に対して重大で深刻な被害を与えたことを心から謝罪したいと思います。検察庁はじめ関係者に多大なるご迷惑をおかけしたこと、世間を騒がせたことを申し訳なく思っております」
少し早口で述べた北川被告。起訴内容を認めたうえで、被害者と社会に謝罪しました。
検察側の冒頭陳述では、事件の詳細が明らかに。事件当日は“検事正の就任祝い”として懇親会が開かれ、北川被告は泥酔した女性をタクシーに押し込んで、自らの官舎に連れていったといいます。女性は気が付くと性的暴行を受けていて「帰りたい」と懇願すると、「これでお前も俺の女だ」と発言し、さらに事件後は「時効が来るまで食事をごちそうする」などと言っていたといいます。
閉廷後、被害にあった部下の女性検事が会見を開きました。
(被害にあった女性検事)「被害を受けてから約6年間、本当にずっと苦しんできました。もっと早く罪を認めてくれていたら、この経験を過去のものとして捉えることができて、また新しい人生を踏み出すことができた」
女性が今年に入るまで被害申告できなかったのは、北川被告からの“口止め”が理由だといいます。
(被害にあった女性検事)「『公にすれば死ぬ。検察が機能しなくなり、検察職員に迷惑がかかる』と脅され口止めされ、懸命に仕事をしているたくさんの職員に迷惑がかかる、検察を守らなければならないと思ったからです」
北川被告が起訴内容を認めたため、裁判の争点は量刑となりました。次回審理の日程はまだ決まっていません。