日産に「SUVミニバン」あった!? “タフ感”ボディ&斬新「専用グリル」装備! 時代を先取りした“クロスオーバー風”の「セレナ」とは?
今復活したら売れるかも!? 日産の「クロスオーバー風ミニバン」とは?
近年SUV人気が続くなか、ミニバンでありながらクロカン4WDに匹敵する高い悪路走破性をもつ三菱「デリカD:5」は、唯一無二のSUVミニバンとして確固たる地位を築いています。
しかし、そんな時代の流行を先取ったかのように、かつて日産もクロスオーバー風のミニバンを展開していました。
一体どのようなクルマなのでしょうか。
そのクルマとは2005年に発売された「セレナ 20RS/20RX」です。
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セレナは1991年に「バネットセレナ」として登場して以来、ファミリー層を中心に高い支持を得てきたミディアムサイズのミニバンです。
取り回しの良さと両側スライドドア、使いやすい3列シートが好評で、日産の国内ラインナップでも重要な位置を占める人気モデルとして成長しました。
現行の6代目は、2022年11月に6年ぶりのフルモデルチェンジを受け、内外装のデザインを大幅に刷新しています。
さらに、先進運転支援システム「プロパイロット」が強化され、最上位モデルでは高速道路の同一車線でのハンズオフ運転が可能な「プロパイロット2.0」を搭載するなど、テクノロジー面でも進化。
2024年9月には、ガソリンモデルの価格が10万円引き下げられるなどコスト面でも改善が図られ、同年10月には日産の電動四輪制御技術「e-4ORCE(イーフォース)」を搭載したモデルの追加を発表したりと、現代のニーズに合わせたアップデートを重ねています。
そんなセレナですが、かつて一風変わったモデルが存在していました。
それは2005年に登場した「セレナ 20RS/20RX」です。
このクルマについて当時の日産は「安定感のあるモダンなキュービックボディをベースに、都会的で個性的なイメージを与えた」と謳っていました。
エクステリアは、バンパーからボンネットにかけてスムージングされたボディ同色のフロントグリルや、前後バンパーからボディサイド下部にかけての「アクセントカラーベルト」が特徴的です。
このデザインはSUVのテイストを感じさせ、まるで「セレナ クロスオーバー」とでも呼べそうな雰囲気を持っており、都会的かつアクティブな印象を与えるデザインとなっています。
また同時期には、日産のコンパクトミニバン「ラフェスタ」にも「PLAYFUL(プレイフル)」というSUV風モデルが設定されていました。
このことからも、当時の日産がSUVテイストを取り入れたラインナップの拡充に力を入れていたことが伺えます。
しかし、この「20RS/20RX」は、ユーザーからの強い支持を得ることができませんでした。
大きな理由の1つとしては、「クロスオーバー」という明確な名称やアイデンティティが付与されなかったことが挙げられます。
くわえて「20RS」「20RX」というネーミングも分かりにくく、SUVとしての魅力も中途半端な印象を与えたことが響いたようです。
結果的に、2007年12月のマイナーチェンジでこの2つのグレードは廃止されました。
このようにクロスオーバー風のセレナは、わずか2年半という短い期間で生産が終了してしまった不遇のモデルとなりましたが、SUVとミニバンの組み合わせを模索する試みとしては先駆的なモデルであり、セレナの歴史のなかでも一風変わった存在として語り継がれることでしょう。