カナダ中銀は追加の大幅利下げ必要か、見通し過度に楽観的との見方

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Promit Mukherjee

[オタワ 24日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)による最新の経済見通しはあまりにも楽観的で、景気てこ入れには年内にもう1回の大幅利下げが必要になる公算が大きい──。エコノミストの間ではこうした見方が広がっている。

23日に中銀が公表した四半期金融政策報告では、第3・四半期国内総生産(GDP)予想こそ7月時点の年率2.8%増から1.5%増に引き下げられたが、今年全体の成長率予想は1.2%に据え置かれ、来年予想も変更されていない。

これは年間成長率予想の下方修正を見込んでいた多くの市場関係者を驚かせた。

オックスフォード・エコノミクスのカナダ経済ディレクター、トニー・スティロ氏は「今年のカナダ経済について中銀の見方はより明るくなっている」と指摘しつつ、実際には年間成長率は中銀の予想を下回りそうで、12月に追加で50ベーシスポイント(bp)の利下げを迫られるとみている。

CIBCのマネジングディレクター兼チーフエコノミスト、エイブリー・シェンフェルド氏も「成長率が中銀の見通しに届かなければ、12月の50bp利下げを後押しする1つの要素になり得る」と述べた。

RBCのエコノミスト、クレア・ファン氏は「われわれは12月に追加の50bp利下げがあるとの想定を維持している」と記し、来年まで金利水準が引き締め的であり続ける限り、実質GDP成長率は低調にとどまる確率が高いと付け加えた。

中銀は23日の会合で政策金利を50bp引き下げて3.75%とすることを決定。マックレム総裁は、今後の利下げのペースやタイミングについて、次回会合予定の12月11日までに入手するデータの内容次第になるとの見解を示した。