兵庫県宝塚市・宝塚歌劇団本拠地の宝塚大劇場(2024年撮影)

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宝塚歌劇の花組「ファンタジー・ホラロマン『エンジェリックライ』」新人公演が24日、兵庫・宝塚大劇場で上演され、入団6年目105期生の美空真瑠(みそら・まる)が初主演を射止めた。相手役も初ヒロインで、美空と同期の初音夢(はつね・ゆめ)が務めた。

本公演は花組新トップ永久輝せあ、相手娘役の星空美咲による新コンビの本拠地お披露目作。類いまれなる美貌に聡明(そうめい)な頭脳を持ちながらも、素行は悪い「天界一の大ほら吹き天使」が人間界へ修行に落とされ、事件に出くわして成長していく物語。

情感たっぷりに「ほら吹き天使」を表現した美空は、緊張感もじょじょにほぐれ、芝居が進むにつれ、伸びやかな歌声を響かせて、客席から拍手を浴びた。

終演後のカーテンコール。笑顔を浮かべて客席を見渡し「皆さまの温かい拍手や手拍子、1つ1つに勇気をいただき、最後まで無事に務めることができました」とあいさつした。

本公演の開幕後、入団7年目までが出演する新人公演の稽古も本格化していく中で、美空は「この新人公演も、成長過程ではなく1つの舞台として、見に来てくださったお客さまに心から楽しんでいただける舞台をお届けしたい」と考え、稽古に励んだという。

「新人公演メンバー一同で一丸となって稽古を重ねてまいりましたが、やはりまだまだ課題がたくさんあります。もう1度ある東京の新人公演という、この当たり前ではないチャンスに感謝して、さらにさらに、もがいて成長したい」

本拠地のセンターで、主演が浴びる“トップライト”を受け「本番を終えて一番に感じたのは、やはり舞台は特別な場所だなということです。本当にたくさんの方の思いが積み重なって成り立っているんだなと、あらためて感じました」。

続けて「大好きな花組の一員として成長できるように努めます」と誓った。

宝塚では昨年9月の宙組団員急死以降、新人公演世代の過重労働も指摘され、本公演の開幕間もない宝塚大劇場での新人公演は取りやめ。8月の雪組公演で11カ月ぶりに再開し、9月の星組に続く上演となった。

東京宝塚劇場では12月19日に予定されている。